研究課題/領域番号 |
18K10475
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
山口 知香枝 名古屋市立大学, 大学院看護学研究科, 准教授 (70514066)
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研究分担者 |
浅野 みどり 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 教授 (30257604)
二村 昌樹 独立行政法人国立病院機構(名古屋医療センター臨床研究センター), その他部局等, 医長 (30470016)
榎原 毅 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 准教授 (50405156)
細川 陸也 京都大学, 大学院医学研究科, 講師 (70735464)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | アレルギー / 育児ストレス / RCT |
研究実績の概要 |
本研究の主たる目的は,次のとおりである。【目的1】アレルギー疾患の子どもの主たる養育者の育児ストレスの特徴を明らかにする。【目的2】目的1で得られた知見から,子どもの主たる養育者の特性を基に無作為に二群分割し,支援を与える群,プラセボ群を設定してRCTを実施する。 今年度は,アレルギーの子どもとその家族に焦点を当てたweb調査を実施した。育児ストレスに関連する調査内容の中から,特にアレルギーの子どもの行動特性に着目した。 先行研究では,子どものアレルギーと子どもの行動特性には関連があるという結果が出ている。しかし,子どもの成長発達には年齢や性別,そして親の育児ストレスが強く関連することは推測される。 今回,ISSACの喘鳴,湿疹,鼻炎の症状が今までにあったかどうかを問う項目を要因とし,SDQのtotal difficulties scoresをアウトカムとしてロジスティック回帰分析を行った。共変量を子どもの年齢,性別,親の育児ストレス,ISSACの要因以外の項目,アレルギーの診断,家族歴とし,傾向スコアを作成して調整した。その結果,SDQ の中のConduct problemsがborderline/clinical rangeとなるリスクは,交絡因子を調整してもなお,喘鳴症状が今までにあったと回答した者が,そうでないものと比較して1.69倍高かった(95%CI, 1.04-2.75)。また,鼻炎症状が今までにあったと回答した者は,そうでないものと比較して1.56倍高かった(95%CI, 1.05-2.34)。この結果は現在投稿準備中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
【目的1】アレルギー疾患の子どもの主たる養育者の育児ストレスの特徴を明らかにする。これについては,webによるアンケートを実施した。結果の一部を解析し投稿準備中であるが,さらに,育児ストレスの要因について詳細に分析する必要性があるため,小児アレルギーを専門とする医師,小児看護学を専門とする大学教授,および疫学統計のエキスパートよりスーパーバイズを受けながら進めていく予定である。【目的2】目的1で得られた知見から,子どもの主たる養育者の特性を基に無作為に二群分割し,支援を与える群,プラセボ群を設定してRCTを実施する。この段階まで進めるためには,分析とRCT実施準備を並行して行なっていく必要があるものの,概ね予測どおりの進捗状況である。
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今後の研究の推進方策 |
今後は,さらなる解析を進めることおよび,次の段階のRCTに向けての準備を並行して行う。アレルギーの子どもの主たる養育者への支援プログラムの構築とその介入効果の評価を実施する予定である。将来的には,家族の関係性や養育者のストレス対処のための支援,また有用な社会資源の創造など,多面的な支援プログラムの可能性を探る。
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次年度使用額が生じた理由 |
論文の掲載料が無料であったことと,執筆中の論文の校正費用が2020年度に持ち越してしまったため。
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