助産師の中期中絶ケアの実態とワーク・エンゲイジメントの関連を明らかにし、助産師のための中期中絶ケアの教育モデルの開発にむけて、今年度は新型コロナウイルス感染症の影響により延期していた臨床現場における適合性について質的な分析を行った。 量的調査研究により明らかになった看護管理者による支援の重要性と仕事の満足度を高めることによってバーンアウトを防ぐ可能性については、看護管理者からの仕事に対する肯定的なフィードバックや承認があることや中絶のケアに偏らない仕事の配置をすることによって、職務満足度が高まっていた。また、中絶にかかわることであっても有意義な仕事であるとし誇りをもって仕事をすること、困難な出来事に直面した場合でも心理的な強さを発揮できるかがワーク・エンゲイジメントに影響している可能性については、経験年数があるほど多くの中期中絶をうける女性の苦悩や中絶された児への思いを体験しているが、中期中絶ケアをすることに対しての満足感やケアに貢献できたという感覚によって、専門職としての仕事としてとらえ、役割があるという認識につながっており、中期中絶ケアに対する積極的な意識が形成されていた。 助産師のための中期中絶ケアのトレーニングには、1.助産師の専門職としての役割を意識してケアができるようにすること、2.看護管理者におけるサポートシステムを構築することが必要であり、ワーク・エンゲイジメントを高める教育モデルは、中絶ケアに対する積極的な態度を強化することができると考えられた。
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