研究課題/領域番号 |
18K10495
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研究機関 | 聖マリア学院大学 |
研究代表者 |
桃井 雅子 聖マリア学院大学, 看護学部, 教授 (90307124)
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研究分担者 |
本城 由美 (佐居由美) 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 准教授 (10297070)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 若年女性 / 妊孕性 / 意思決定支援 / 看護基礎教育 |
研究実績の概要 |
現代における医療の進歩に伴い、社会とそこに住む国民の看護に対するケア・ニーズは刻々と変化してきている。それに応えるべく看護基礎教育においてもカリキュラムを見直し、再検討すべき時期が到来していると言えるであろう。そこで本研究では、近年の生殖医療の進歩とそこで生じている新たなケア・ニーズに対応すべく、若年女性のライフサイクルに沿った妊孕性に関する意思決定を支援できる看護者の育成に向けて、看護基礎教育プログラムの開発に取り組むことを目的とした。 本研究は第1段階(平成30年度前期~31年度前期)において、一つ目は「①教育プログラム<初版>の作成」を行い、プログラムの内容は、意思決定支援を行う際に看護者に必要とされる『姿勢・態度』,『知識』,『実践』の3つの側面から構成することを試みた。さらに教育プログラムの授業形態は、講義の他、アクティブ・ラーニングによる教育方法を採用することによって学習者の主体的な取り組みと学修内容の定着を計ることとした。 二つ目としては「②教育プログラムの評価指標」の検討を行い、その結果、当教育プログラムによって学習者に期待される成果を示す指標、すなわち当プログラムの評価指標が先行研究では予測し辛いことが明らかとなった。そこで、まずは学習者に対してプログラム受講後のインタビュー調査を行うことで、教育プログラムの主観的評価を行うこととした。この主観的評価は、当プログラムにより期待される効果として先の3つの側面『姿勢・態度』,『知識』,『実践』から明らかにすることとし、3側面の内容を含むインタビューガイドを作成した。 以上の内容を含む研究計画書を作成し、所属機関の研究倫理審査委員会の承認を得ることが出来たため、今後、令和2年度(研究の第2段階)においては、データ収集及びデータ分析を行い、年度末に向けて教育プログラム<初版>の評価を行いたいと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は3つの段階から成るが、現在、そのうちの2段階目に入ることが出来ており、ほぼ当初の予定通りに進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
令和2年度は「①教育プログラム<初版>の実施・評価」ならびに「②教育プログラムの評価として客観的指標の検討」を行う予定である。 まず前者の「①教育プログラム<初版>の実施・評価」については、昨今の新型コロナ肺炎感染拡大予防体制の下で、研究対象者である大学生の登校が出来ない状況が続いており、データ収集に支障が生じている。よって、早急に教育プログラムの実施方法について、対面授業からWeb授業に切り替え、研究計画の一部を変更してプログラム実施に繋げたいと考えている。 また後者の「②教育プログラムの評価として客観的指標の検討」については、当初、主観的指標と客観的指標の両者を同時進行で開発する予定であったが、予定を変更して、まずは主観的評価を明らかにするために教育プログラム受講者にインタビューを実施することとした。そして、そのインタビューデータの分析結果をもとに、具体的な質問項目(客観的指標)の内容を検討、決定し、次段階の「教育プログラム<改定版>」の評価研究において使用できるように準備を進めたいと考える。
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次年度使用額が生じた理由 |
2019年末に研究倫理審査委員会の承認を得て、研究分担者である都内在住の佐居氏と打ち合わせ会議を行い、その会議を経て、研究対象者である看護学生へのリクルートを開始する予定であった。しかしながら、新型コロナ肺炎感染症拡大に伴い、佐居氏との対面での打ち合わせ会議が中止となり東京までの出張旅費が不要となった。また、研究対象者へのリクルート活動が困難となり、一旦、研究を中断することとなった。以上の理由から、2019年度内の研究経費を使用することが出来ず、次年度に使用することとなった。2020年度は、Webによる研究分担者との会議及び研究対象者(看護学生)へのリクルートを行う予定であり、当初の使途計画に沿って研究を進めることで経費を計画的に使用したいと考えている。
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