研究課題/領域番号 |
18K10501
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
京田 薫 金沢大学, 保健学系, 准教授 (00639776)
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研究分担者 |
板谷 智也 金沢大学, 保健学系, 助教 (10765192)
塚崎 恵子 金沢大学, 保健学系, 教授 (20240236)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | Group living care / 地域活動 / 生活の自立 / 人との相互作用 |
研究実績の概要 |
グループホームのGroup living careの構造を明らかにするために、143名の管理者を対象としGroup living care 3領域20項目を用いて、因子分析、内的整合性の検討を行ってきたが、Group living careの概念(Annerstedt 1993)、介護保険の運用基準(介護保険6法)、認知症者の症状や認知症の行動・心理症状を参考して、因子の命名を再考した。第1因子は地域活動に参加、認知症の相談窓口など7項目であり、「地域活動」と命名した。第2因子は自己決定の尊重、食事、排泄、入浴など6項目であり「生活の自立」と命名した。第3因子は家族等の訪問の受け入れ、利用者と職員の信頼関係など4項目であり「人との相互作用」と命名した。内的整合性について、地域活動はα=0.794、生活の自立α=0.747、人との相互作用α=0.774と十分な値を得られた。 第1因子である地域活動は、グループホームは地域の認知症ケアの中核を担い、グループホームが地域の人々や施設にと関わっていることが示唆された。第2因子である生活の自立は、認知症者が自立した日常生活を行うことを支援している因子である。これらには生活に対する希望の表出、自己決定の尊重、帰宅支援が含まれており、認知症者の人格や嗜好に合わせた実践であることが示唆された。第3因子は人との相互作用であり、careの最も基礎となると考える。グループホームは、少人数で共同生活を営んでおり、認知症者の尊厳を十分に配慮し、信頼が築けるケアを実践していることが示唆された。人との相互作用を行う対象は、職員と認知症者だけでなく、家族、馴染みの人も含まれることが示された。これらの3つの因子より、グループホームのGroup living careは、家庭的な環境と地域住民との交流の下で、生活の継続を目指していることが推察される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
因子構造の検討に時間を要した
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今後の研究の推進方策 |
研究結果をまとめ、研究成果を公表する予定である
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次年度使用額が生じた理由 |
研究成果を公表していく。学術専門誌に投稿する際の英文校正や掲載費用などが必要となる
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