研究課題/領域番号 |
18K10504
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
藤本 裕二 佐賀大学, 医学部, 助教 (30535753)
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研究分担者 |
藤野 裕子 沖縄県立看護大学, 看護学部, 教授 (00259673) [辞退]
楠葉 洋子 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 教授 (90315193)
松浦 江美 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 准教授 (20363426)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 統合失調症 / リカバリー / 身体活動量 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,地域で暮らす統合失調症者のリカバリーと運動・スポーツによる身体活動量の関係性,及び関連要因を明らかにすることである。 本研究の初年度(平成30年度)は,本研究に必要な国内外の文献検討を行い,質問紙調査票の調査項目や内容について研究分担者(慢性看護学領域)と研究協力者(健康運動学)と丁寧に検討した。身体活動量の調査手法として多くの場合,身体活動質問紙(PAQs:physical activity questionnaires)が用いられており,国内で使用されている身体活動質問票は様々であるが,統合失調症者における身体活動量の現状を把握し,同一の調査方法で比較可能性を高めること,本調査は介入研究ではないことを勘案し,WHOワーキンググループにより開発された国際標準化身体活動質問票(IPAQ:International Physical Activity Questionnaire Long版)を使用することにした。加えて,対象者に負担とならない簡便な客観的な指標となるデータを取り入れることとした。また,先行研究において,統合失調症者の身体活動量や運動実施者数の割合が少ないことを参考とし,統合失調症者のリカバリーレベルと身体活動量の比率をχ2検定法によって算出した結果,研究対象者数を120名とした。調査協力施設の代表者に対して研究の概要を説明し,内諾は得られており,今後は,具体的な日程と調査方法について打ち合わせを行いながら,アンケート調査を実施していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は,質問紙調査票の項目内容の妥当性を検討し,質問紙調査票を作成した。交付申請書に記載した研究計画・実施スケジュールでは,作成した質問紙調査票でパイロットスタディを若干名に実施し,調査票の見直し・修正を行う予定としていたが,質問紙調査票の作成までとなったため,現在までの進捗状況を「やや遅れている」とした。
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今後の研究の推進方策 |
今後は,地域で暮らす統合失調症者のリカバリーと運動・スポーツによる身体活動量との関連を多角的に捉えるために,病院を含む精神科関連施設(デイケア,就労支援事業所,地域活動支援センター,グループホーム等)を機縁法で選択しながら調査を進めていく予定である。地域で暮らす精神障害者のリカバリー支援に関する調査を継続的に実施していることで医療機関や各施設の協力が得やすく,研究代表者及び分担者が調査場所へ出向いて対面による丁寧な聞き取り調査の方法を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
【次年度使用額が生じた理由】 本年度は,パイロットスタディと質問紙調査票の見直し・修正を実施することができなかったため,本研究を遂行する上での研究打ち合わせと調査の旅費及び,調査に必要な物品購入が減ったことにより,研究計画書で計上した予定額と実支出額に誤差が生じた。 【使用計画】 次年度は,研究計画で予定している就労継続支援事業所,地域活動支援センター,デイケア等,複数の施設から聞き取りによるアンケート調査を実施する予定である。そのため,対象施設との調査の打合せ及び調査旅費に加え,PPC用紙や文房具等の消耗品の補充を行う。また,アンケートの分析結果を学会で発表する予定であり,学会への参加費も必要となる。
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