研究課題/領域番号 |
18K10505
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研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
山本 恵美子 愛知医科大学, 看護学部, 准教授 (50464128)
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研究分担者 |
田中 共子 岡山大学, 社会文化科学研究科, 教授 (40227153)
畠中 香織 関西医科大学, 看護学部, 講師 (40756227)
兵藤 好美 岡山大学, ヘルスシステム統合科学研究科, 教授 (90151555)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 多職種連携 / 看護師 / 介護士 / 安全 / 介護施設 |
研究実績の概要 |
本年度の目標は、介護施設の看護師を対象に介護の安全に関する連携の要素を明らかにし、介護施設の安全のために多職種連携を育むための示唆を導き出すことを目的とした。 研究方法は、介護施設の看護師5名を対象に半構成的面接調査を実施した。分析方法は、類似した意味内容ごとにカテゴリーを抽出し質的分析を行った。2019年8~9月にかけて、5人の看護師に面接調査を実施した。平均年齢は47.2歳(女性)で、平均インタビュー時間は28分であった。コードの総数は56、カテゴリーは4、サブカテゴリーは14であった。看護師の介護の安全に関する連携要素のコードは、"介護士の専門性を認め、尊重する姿勢を持つ"、"看護師の専門性を発揮し、対象への観察を介護士と共有する"、"介護士が行動レベルで参加し、積極的に身体状況の悪化を予測し、事故を予防できるようなケアの調整を行う"、"看護師の集合知を活用し、介護士と十分な情報を共有して統一的なケアを実施・改善する "の4つであった。 看護師は、介護士を尊重し医療的観察の視点を示し情報の共有に努め、これにより、高齢者の病状や生活レベルの変化を早期に把握することに努めていた。この情報共有をもとに共通理解が得られ具体的な行動が可能となり、よりよいケアにつながると考えられた。また、介護士の行動が活性化することで、看護師が質の高い情報を把握でき、看護師が身体状況の悪化を積極的に予測し、事故を未然に防ぐようなケアコーディネートが可能となると考えられた。看護師が考えた事故防止策を介護士と共有し連携することで、統一ケアを実施し、事故防止の改善に役立てていた。これらの取り組みは、組織の安全文化の醸成につながることが示唆された。今後は、介護士がどのように看護師との連携に関わっているかを調査し検討することが必要である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和2年度は,介護施設の看護師の視点から,安全に関する連携の要素は抽出できた。その他,管理者、看護師,介護士の3職種が連携して取組む安全力の要素のデータを収集し分析中である。しかし、介護士からのデータ収集を計画していたが介護施設のCovid-19感染防止対策が必要でありデータ収集に至ることができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
現在収集した管理者,看護師,介護士の3職種が連携して取組む安全力の要素のデータを収集し分析を行う。介護士対象のデータ収集を進め,3職種が連携して取組む安全力の要素の抽出を目指す。さらに,令和3年度の計画として「介護施設で連携しながら取組む介護安全力の実態の解明と測定ツールの開発」を段階的に進めていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
高齢者施設を対象とした面接調査を計画していたが,Covid-19の感染防止の観点から,目標とするデータ取得に至ることができず使用額に変更が生じたため。 面接調査をWeb調査に切り替えるなどの対処を検討し,速やかに研究計画を進める。 次年度も適正な研究費の使用に努める
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