研究課題/領域番号 |
18K10506
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研究機関 | 宮城大学 |
研究代表者 |
志田 淳子 宮城大学, 看護学群(部), 准教授 (30530654)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 超音波診断装置 |
研究実績の概要 |
2019年度は,訪問看護ステーション(1施設)の看護師4名を対象に,超音波診断装置(エコー)の基本および使い方に関する研修を実施した。その後,訪問看護利用者に対するケアにおいて,エコーを活用したフィジカルアセスメントを行った。 対象となった訪問看護師4名のうち,3名はエコーの使用経験がない看護師であった。1回の対面型研修による講義,演習に続き,訪問看護師同士で実践練習を複数回行った後に,訪問看護利用者に対してエコーを活用したフィジカルアセスメントを実施した。使用機器はVscan Extend(GE Healthcare製)とした。 訪問看護におけるエコーの活用場面は,主に膀胱の観察および膀胱留置カテーテルの位置確認とした。その理由は,エコー活用の初心者であっても膀胱の観察が容易であることが挙げられる。ならびに,萎縮膀胱のある利用者への膀胱留置カテーテル挿入において,フィジカルアセスメントの困難を訪問看護師が経験していたためである。 研修や実践練習の結果,エコーの使用経験がない訪問看護師であっても自信をもって膀胱の観察が可能となった。一方で,萎縮膀胱のある利用者に対するエコーの活用においては,画像に表出される膀胱容量の小ささに訪問看護師が戸惑いを抱いた。「今回は複数で対応できたので安心だったが,一人で判断するとなると不安。表出した画像が間違いなく膀胱であるという確信を得たい。慣れるまでは一緒に確認できる体制やシステムがあると安心」という意見が得られた。 使用したVscan Extendは画像共有機能が付加されているため,訪問看護師が利用者宅で表出した鮮明な画像を主治医等とタイムリーに共有することが可能である。次年度はこれらの機能を活用しながら課題解決を図る予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
訪問看護時のエコー活用における課題について,具体的な解決方法を示すとともに,解決方法の有用性について検討することができなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
エコーを活用する訪問看護ステーションを拡大する。さらに,明らかになった課題について,解決方法を具体化し,その有用性を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
エコーの機器が新たに発売され,購入機器を再考する必要性が生じたため。
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