研究課題/領域番号 |
18K10510
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研究機関 | 長野県看護大学 |
研究代表者 |
喬 炎 長野県看護大学, 看護学部, 教授 (70256931)
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研究分担者 |
古海 誓一 東京理科大学, 理学部第一部応用化学科, 准教授 (30391220)
北山 秋雄 長野県看護大学, 看護学部, 教授 (70214822)
柄澤 邦江 長野県看護大学, 看護学部, 講師 (80531748)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 褥瘡 / 早期診断 / 在宅・遠隔ケア |
研究実績の概要 |
褥瘡は難治性の皮膚傷害で、特に在宅において増加し、どのようにして在宅でも早期発見して早期治療につながるかが喫緊の課題である。本研究は在宅等の現場で撮影された褥瘡の画像を医療拠点に転送して、褥瘡の早期遠隔診断システムを開発するため、「透明板圧診法」と圧力センサーの併用によって試みることにした。 初年度(平成30年度)において磁石圧迫による褥瘡動物モデルを作製し、負荷・計測装置(MX-500N Imada Co.)を用いて加圧しながら、発赤部の変化を評価した。その結果、圧迫強度は充血(「透明板圧診法」で消退する発赤)の42mmHgで発赤が完全に消失したが、早期褥瘡(透明板圧診法で消退しない発赤)は85mmHgまでに発赤が徐々に増強して、その以上になると逆に減弱した。これによって充血と早期褥瘡を区別できる圧力は42~85mmHgの間で可能であるとわかった。この結果は「透明板圧診法」の圧力程度を決め、最良方法の確立に繋がって、診断手段としての精度を高めた。 次にこの「透明板圧診法」において決まった圧力をリアルタイムで表示し、直に定量可視化が実現できるため、東京理科大学の開発された高分子新素材ゴムセンサーを用いて、2枚の透明板の間に挟み、42~85mmHgの圧力を加圧・圧力解除して、ゴムセンサーの変色と回復状態を確認した。1回目の試験は終了したが、ゴムセンサーの変色がやや不安定で、圧力の変化に応じて敏感に変色することが難しく、開発者の共同研究者に依頼して、再度精度の高いゴムセンサーを作製して、さらに検討する必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
特になし
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今後の研究の推進方策 |
今後は計画通り、以下のように進める。 令和元年度「透明板圧診法」と最先端高分子新素材ゴムセンサーの併用を活用したスマートフォン観 察・撮影装置の開発 :透明板とゴムセンサーのセットされた構造に固定用吸盤を設置し、ワンタッチでなどの着脱を可能にする「観察・撮影装置」 を作成する。さらにこの装置を活用して、先述の発赤部を観察・撮影し、できるだけ臨床現場で小型かつ簡便に使用可能な装置を開発する。令和2年度 褥瘡の早期遠隔診断システムの開発・活用:上述の「観察・撮影装置」を用いて撮影された画像を保存して、在宅現場で実用化している「最先端の遠隔ケアシステム」を活用して、褥瘡発生危険度自動表示を実現して、在宅に向けた褥瘡の早期遠隔診断システムの確立を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
特になし
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