研究課題/領域番号 |
18K10517
|
研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
塚本 友栄 自治医科大学, 看護学部, 教授 (00275778)
|
研究分担者 |
春山 早苗 自治医科大学, 看護学部, 教授 (00269325)
島田 裕子 自治医科大学, 看護学部, 准教授 (40556180)
青木 さぎ里 自治医科大学, 看護学部, 講師 (90438614)
江角 伸吾 宮城大学, 看護学群, 准教授 (10713810)
土谷 ちひろ 自治医科大学, 看護学部, 助教 (90806259) [辞退]
横山 絢香 自治医科大学, 看護学部, 助教 (10827091) [辞退]
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | 退院支援 / へき地 / 教育プログラム / e-learning |
研究実績の概要 |
本研究は、へき地医療に従事する看護職対象の退院支援に関する教育プログラム開発を目的としている。2022年度の課題は、1)2020年度に実施した、離島での退院支援(在宅療養移行支援)に取り組む保健医療福祉職を対象とした、オンラインによるインタビュー調査結果を論文化すること、および2)上述1)を含むこれまでの研究結果を活かした教育プログラムに含めるべき学習項目の抽出と、コンテンツ作成、専門家会議を経てそれらの妥当性を検討することであった。 1)については、論文化を進め、日本ルーラルナーシング学会誌第18巻(2023年3月発行)に掲載できた。離島における高齢者への退院支援・調整の課題には、①島にある資源と連携力を活用した柔軟で組織的な対応、②住民の暮らしや望みを知ることを基盤にした支援関係者が共有できる方向性・価値観の醸成、③地域に密着した居宅サービスの充実、④距離感が近い住民への個人情報拡散防止、⑤高齢者にとっての島の暮らしの大切さと、島での療養生活に対する家族の心配を、相互に理解しあえるような家族関係の調整という5つの特徴があることが示唆された。このような退院支援・調整の課題の特徴がみえてきた意義は大きく、この成果を教育プログラムに反映することで、へき地医療に従事する看護職対象の教育プログラムとして、その現実適合性を高めることが出来る。 2)として挙げていた、学習項目の抽出とコンテンツ作成、専門家会議を経たそれらの妥当性検討については、2022年度は十分進めることが出来なかった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
現在までの進捗状況は、当初計画よりかなり遅れている。 理由としては、①第1回専門家会議を通した調査デザインの変更、②倫理審査受審の遅れ、③COVID-19 拡大を受けた現地調査の延期と、④COVID-19収束が期待できなくなった段階での調査方法の変更、調査対象の新たなリクルートを要したこと、⑤査読への対応に時間を要したこと、⑥研究の推進方策を挙げていたが実施に至らなかったこと、⑦日々の業務の中で研究活動に注力する時間を確保できなかった自身の調整能力の低さ、が挙げられる。
|
今後の研究の推進方策 |
本研究は最終的に、作成した教育プログラムの実施・評価までを目指していたが、残り1年での達成は困難である。へき地医療に従事する看護職を対象としたe-learningを実施する環境は大学内に有している。今回の補助事業期間終了後は、速やかに教育プログラムの実施・評価に向かえるよう、教育プログラムに必要な学習項目の抽出・コンテンツの作成、それらの妥当性を検討する専門家会議開催までを、2023年度の目標とする。 2022年度は論文として調査結果の言語化迄はできたため、開発を目指す教育プログラムに必要な学習項目の抽出・コンテンツ作成に繋げられる基盤はできた。 これまでの進捗の遅れには、日々の業務の中で研究活動に注力する時間を確保できないという課題があった。このため、①四半期毎の目標を設定し、②コンテンツの妥当性を検討する専門家会議を早々に設定する等、最終目標達成までの工程を明確にして、取り組みやすくしていく。
|
次年度使用額が生じた理由 |
学習コンテンツの妥当性検討のための専門家会議の現地離島での開催を計画していたが、COVID-19感染拡大の影響が沈静化せず、現地開催できる状況にはならなかった。そもそも学習コンテンツの作成にも至らなかったため、助成金の多くが未使用となった。 2023年度は、COVID-19は5類に移行するため、①専門家会議の対面開催、および②現地(離島)訪問を計画し、プログラムの効果性を高めるために、教育対象や教育方法に関する参考情報を得ることとする。
|