急性期病院入院中の認知症高齢者を対象としたボランティア活動のシステム構築を開発し実施した。 システムは、見守りと話し相手により身体拘束を介助するために安全に行えること、ボランティアが傍にいることで安心でき、話をすることで楽しく過ごせることを骨子とした。先ずは、ボランティア12名に認知症サポーター養成講座開講し、認知症サポーターとしての資格を取得してもらい、急性期病院にボランティアとして介入実施した。研究協力を得られた急性期A病院の看護師長に認知機能低下した高齢者の選定してもらい、1日に3名~4名で午前10:00~午後15:00~の2回、見守りと話し相手を、40分~60分、約2か月の期間実施した。介入後ボランティア活動を通して学びについて自由記述の質問紙調査を実施した。その結果、認知症サポーターは、急性期病院は、看護師は忙しくて患者と会話できない状況にあることを認識した。看護師の多忙な状況について認知機能低下した高齢者は、諦めや不安に感じたり、疑問を感じている状況にあるという認知機能低下した高齢者の実情を受け止めていることがわかった。また、ボランティア活動による認知機能低下した高齢者は、安心する、笑顔になる、一生懸命話すことから、ボランティア自身も笑顔になり、相手と呼吸を合わせている、心地よい、涙が出るなど自覚していることがわかった。一方、急性期病院に入院中の認知機能低下した高齢者にボランティア活動をすることは、特殊な環境における見守りと話し相手と捉えていることがわかった。そのため、想定以上にエイジズムや認知症を意識し、緊張感を高めてしまうことが考えられた。また、急性期病院に入院していることで、認知機能低下した高齢者の傷病についても想像以上に意識し、不安を増長していることもわかった。
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