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2018 年度 実施状況報告書

高齢者の皮膚耐性から捉えたスキンテア(皮膚裂傷)の発生要因の解明と予防法への応用

研究課題

研究課題/領域番号 18K10522
研究機関福井医療大学

研究代表者

北川 敦子  福井医療大学, 保健医療学部, 教授 (80343185)

研究分担者 佐久間 淳  京都工芸繊維大学, 繊維学系, 教授 (60274180)
佐伯 壮一  大阪市立大学, 大学院工学研究科, 准教授 (50335767)
中谷 壽男  金沢大学, 保健学系, 教授 (60198124)
古川 大介  大阪市立大学, 大学院工学研究科, ポスドク研究員 (80774760)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードスキンテア / 脆弱な皮膚 / 客観的指標
研究実績の概要

平成30年度は、スキンテアを発症しやすいといわれている脆弱化した皮膚の分類をおこなうため、高齢者の皮膚の実態調査を行った。さらに客観的手法にて高齢者の皮膚弾性を評価し、スキンテア予防に寄与することを目的とした。【対象】75歳以上の高齢者30名(31部位)であった。【測定部位】スキンテアの発生頻度が高い上肢の皮膚である。【測定項目】①皮膚の生理学的測定(角質水分量と真皮水分量の測定;モイスチャーメーターD使用)②皮膚の力学的測定(ヤング率;柔さ計測システムSoftMeasure HG1003使用)③皮膚の肌理(皮溝平均太さ、皮溝太さ分散、皮溝間隔;マイクロスコープ使用)であった。
【結果】スキンテアの発症があったものを除き、25名26部位(皮膚判定で脆弱群:健常群=17名:9名)であった。対象の概要(脆弱群:健常群)は、平均年齢86.3:84.1歳、男女比9:11と1:6、平均TPは6.3:6.1、平均albは3.1:3.0であった。角質・真皮水分量はどちらも30~40%で乾燥状態を示した。どの項目も、脆弱群と健常群で有意差はみられなかった。健常群におけるヤング率と全項目において有意差があったものは1項目だけであったが、前腕内側の全ての項目において負の相関がみられた。反対に前腕外側では正の相関がみられた。
【考察・結論】今回は主観的な皮膚判定法の有意性を支持する結果は得られなかった。また弾性係数と水分量には相関はなかった。弾性力は水分量以外の因子に依存する可能性があり、対象数を増やし他の客観的指標を加えて検討する必要がある。今年度は真皮層の血流状態を測定できなかった。この指標が皮膚の弾性力と関係が有ると考えており、来年度はこの項目を増やし、検討を重ねていくことが重要であると考える。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

平成30年度は、真皮上層における毛細血管血流速マイクロ断層可視化を行う予定であったが、機器の調整がつかず、この項目においては調査が進められなかった。しかし、他の項目についての調査は予定通り遂行できている。

今後の研究の推進方策

令和元年度は真皮上層における毛細血管血流速マイクロ断層可視化を測定し、皮膚の柔さ、皮膚機能、肌理構造などをあわせて分析していく予定である。さらに、当初の目的でもあった、各測定項目で得られた結果から脆弱化をおこすメカニズムを検討する。

次年度使用額が生じた理由

皮膚の真皮層の血流測定が今年度は機器の不具合によりできなかったため、当初リース代として考えていた金額が使用できなかった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2019 2018

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 高齢者の皮膚弾性を客観的に評価する方法の検討 -弾性係数のin vivo測定2019

    • 著者名/発表者名
      北川敦子、佐久間敦、木村一
    • 学会等名
      第7回看護理工学学術集会
  • [学会発表] 高齢者の皮膚における弾性係数の定量評価法の試み2018

    • 著者名/発表者名
      北川敦子、佐久間敦、木村一
    • 学会等名
      第6回看護理工学学術集会

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公開日: 2019-12-27  

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