研究課題/領域番号 |
18K10522
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研究機関 | 福井医療大学 |
研究代表者 |
北川 敦子 福井医療大学, 保健医療学部, 教授 (80343185)
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研究分担者 |
佐久間 淳 京都工芸繊維大学, 繊維学系, 教授 (60274180)
佐伯 壮一 名城大学, 理工学部, 教授 (50335767)
中谷 壽男 金沢大学, 保健学系, 研究協力員 (60198124)
古川 大介 秋田県立大学, システム科学技術学部, 助教 (80774760)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | スキンテア / スキンケア / 保湿 / 高齢者 |
研究実績の概要 |
スキンテアに発生に関わるケアとして、最終年度は皮膚の保湿がスキンテアに有効かを検証するために、保湿剤塗布の有無でスキンテアの発生にかかる皮膚状態がどのように変化するのかを明らかにする目的で、保湿剤の有無による本邦における高齢者に対する有効なスキンテア予防方法を立証することを目的とした。 調査期間は2022年2月~4月であった。調査対象者は介護施設を利用中のスキンテアリスクの高い高齢者39名とした。調査方法は、基本情報(年齢、性別、基礎疾患、使用薬剤、血液データー)をカルテより調査した。皮膚測定項目は、デジタルカメラでの写真撮影、真皮上層:Derma Scan、皮膚粘弾性:柔さ計測システム、皮膚PH、水分量、皮脂量、AGEs量であった。介入あり群には、皮膚保湿ローション(ベーテルローション)を1日2回塗布、4週間投与した。介入なし群には、通常通りのケアをおこなった。4週間後、スキンテアの有無および皮膚測定項目を調査した。 倫理的配慮は、本研究は新田塚医療福祉センター倫理審査委員会の承認(新倫20121-24)を得ておこなった。 結果:対象者は、平均年齢89.8歳、男女比は5:34であった。介入の有無で対象者の背景に差はなかった。また、介入の有無に関わらずスキンテアの発生はなかった。 保湿介入前で介入群と非介入群に測定値に有意な差はなかった。 介入群では介入前に比して、角質・真皮水分量のみ有意に上昇した。その他の項目では変化はなかった。非介入群では基準測定日から4週間後の測定値は有意な変化はなかった。これまで行った結果では、スキンテア発生には、微小循環血流量の低下と皮膚弾力性の低下が示唆されたが、保湿によるよい影響は見られなかった。保湿剤を塗布し、水分量は上昇しても皮膚粘弾性には何ら影響をもたらさない、保湿が有益であるということは明らかにできなかった。
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