研究課題
2018-2021年:認知症家族を介護する男性にインタビューを行い、質的に分析して尺度開発のための質問項目を作成した。そして、作成した質問紙でA県内の介護未経験の男性を対象に調査を行い「認知症ケアのための男性用介護レディネス尺度(Readiness Scale of Dementia care for Male Caregiver 以下RSDMC)」3因子 (「情報収集の意欲」「介護の知識」「他者との交流」) 20項目を開発した。また、年齢により介護レディネスに差があるのではないかと考え、同じデータで尺度開発とは別に分析を行った。その結果、在宅介護の介護レディネスに関する40歳未満と40歳以上での比較では、地域との交流の深さや家事の自立の程度、介護や認知症への興味関心の程度に相違があった。この結果は、日本家族看護学会第29回学術集会(2022)で発表した。2022年:COVID-19により実証的研究は不可能であったため、介護未経験男性298名を分析対象に、開発した尺度を活用して調査を行い、男性の介護レディネスに関連した属性の特徴を明らかにすることとした。その結果、有意に高かった項目は、下位尺度「情報収集の意欲」では50歳以上の者、「介護の知識」では50歳以上の者、父親・母親共に80歳以上、同居要介護者の存在、「他者との交流」では最終学歴であった。また、未婚で独居または2人家族では「情報収集の意欲」が有意に高かった。更に対象者の年齢を10~60歳代で多重比較した結果、有意差は無かったが年齢の増加に伴い「情報収集の意欲」「介護の知識」は上昇し、「他者との交流」は減少した。未婚で年齢が50歳以上の対象者は「情報収集の意欲」や「介護の知識」は高まり、逆に「他者との交流」は減る傾向が見られた。2022年の研究結果は、日本家族看護学会第30回学術集会(2023)で発表する予定である。
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常葉大学健康科学部研究報告集
巻: 9 ページ: 1-11