研究課題/領域番号 |
18K10536
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
北野 華奈恵 福井大学, 学術研究院医学系部門, 講師 (60509298)
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研究分担者 |
長谷川 智子 福井大学, 学術研究院医学系部門, 教授 (60303369)
安倍 博 福井大学, 学術研究院医学系部門, 教授 (80201896)
四谷 淳子 福井大学, 学術研究院医学系部門, 教授 (10507370)
上原 佳子 福井大学, 学術研究院医学系部門, 教授 (50297404)
礪波 利圭 福井大学, 学術研究院医学系部門, 講師 (10554545)
出村 佳美 福井大学, 学術研究院医学系部門, 助教 (30446166)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | タクティールケア / 睡眠 / 高齢者 / 補完代替療法 |
研究実績の概要 |
本研究は、高齢者を対象に補完代替療法のひとつであるタクティールケアを実施し、高齢者の睡眠に対する効果を生理学的・心理学的指標を用いて検証し明らかにすることを目的とする。本研究により、タクティールケアが高齢者の良好な睡眠を促す補完代替療法となり得るかを検証し、その効果が明らかになれば、エビデンス確立の基盤となり、高齢者の睡眠の質の向上を図り、睡眠不足による認知機能の低下や転倒などの二次障害を防ぎQOLの維持に寄与する新たな看護介入の示唆を得ることが出来ると考える。 計画立案当初は、高齢者の認知的特徴から、認知症のない高齢者と軽度から中程度の認知症高齢者を対象とし、認知レベルによる効果の有無の検証を行う予定であったが、新型コロナウイルスによる感染状況のため、研究協力に同意を得られる施設が少なく、中程度から重度の認知症高齢者が対象となった。 本年度は、研究協力に同意が得られた施設に入所中の11名を対象とし調査を行った。調査は1名に対し、タクティールケアを実施しないコントロール5日間、実施する5日間の合計10日間実施した。調査開始前に体調不良となった者、開始後に拒否の言動があった者には、調査を中止し、最終的に9名で終了した。タクティールケアの効果には個々にばらつきがみられた。中程度認知症者では、タクティールケアによる睡眠効率の増加傾向がみられたが、重度認知症者では睡眠効率が減少する者が多かった。日中の意欲は、タクティールケアにより向上した者もいたが変化がない者もいる結果となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は計画していた調査が実施できた。新型コロナウイルス感染状況により計画立案当初予定していた対象者を確保することは困難となり、若干計画を修正したが、進行の程度は取り戻せている。
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今後の研究の推進方策 |
調査結果をもとに学会発表および論文投稿を行う。研究の成果を発信することで高齢者の睡眠の質の向上へと寄与する。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由)本年度は実験を開始できたが、計画当初の対象者人数にまでは至らず、実験にかかる費用が大幅に少なくなった。また、対象者が中程度から重度認知症者に変更になったため、脳波測定器を装着することが困難となり、断念した件数が多かった。そのため脳波計のレンタル期間短縮によるレンタル費用、脳波解析費用、電極の消耗品の購入費用が減額され、少ない使用額となった。 (使用計画)論文作成に伴う、英語翻訳費、ネイティブチェック証明費、論文投稿費に使用する。また、学会発表に伴う、学会参加費、交通費、宿泊費に使用する。
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