研究課題/領域番号 |
18K10539
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
山内 通恵 宮崎大学, 医学部, 助教 (40805892)
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研究分担者 |
鶴田 来美 宮崎大学, 医学部, 教授 (30258983)
吉永 砂織 宮崎大学, 医学部, 准教授 (50560596)
蒲原 真澄 宮崎大学, 医学部, 講師 (00468026)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | ダウン症 / 運動 / 健康管理 / 社会参加 |
研究実績の概要 |
令和2年度は、青年前期にあるダウン症児の5名の親を対象とした社会参加に対する親の思いと取り組みの分析を行った。 その結果、親は青年前期にある子どもに対し人とのつながりを拡大していきたい思いを抱いていた。そのために親は、子どもが学童期までに獲得してきた身辺自立の段階から、青年前期は「コミュニケーション力」、「生活に必要な情報を活用できる力」、「交通安全を判断できる力」を生活力として捉え、段階を追って確立させていきたい思いがあった。 生活力確立に向けた取り組みには、学校行事への参加や地域へ外出することで人とのつながりに必要となる日常生活に対するマナーを身につけさせていた。また、成人期以降は自らの健康を自らで維持できるよう、運動の習慣化に向け日常的な声掛けと、親子や友だちとのつながりの中で一緒に楽しみながら、運動に取り組んでいることが明らかとなった。 DS児にとって青年前期は、これまでに子どもの暮らしや個性に合わせスモールステップで身辺自立の獲得から、生活力が確立されることを基盤に、人とのつながりを拡大していく時期であることが示唆された。また、この時期は人とのつながりが広がり生活力が確立されていく中において、自らの運動習慣を自らで維持していくことは、将来の健康管理だけでなく人とのつながりを広げる機会であり、友だちや周囲の人と一緒に参加できる運動支援プログラムにより、習慣化できる支援につなげていく必要があることが考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和2年度は一部計画を修正し、青年前期にあるダウン症児の社会参加に対する親の思いと取り組みを明らかにすることを目的に5名の親を対象に半構造化面接を実施し、データの分析を行った。その分析結果をもとに、学術雑誌に投稿・掲載できるよう現在、準備を進めている段階である。 親の運動に対する認識については、明らかになったものの、当初、計画していたダウン症児の身体活動の実態について、新型コロナウイルス感染予防のため調査が困難となっている。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度は、明らかとなった社会参加に対する親の思いと取り組みより、ダウン症児の身体組成の特徴を明らかにするとともに、社会参加に向けた運動習慣の取り組みと成人期以降に自らの健康を自らで維持できるための、運動習慣の確立に向けた支援の在り方を検討していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染拡大に伴い、対象となるダウン症のある子どもの実態調査が進まなかった。そのため、調査に伴うデータ整理やデータ入力および解析のための謝金が必要である。また、研究協力者への謝金および、関係職種と意見交換会の開催費として使用予定である。研究成果は、国内での学会発表をしていく予定である。
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