研究実績の概要 |
春田ら(2016)の『協働的能力としての多職種連携コンピテンシーモデル』を参考に、新たな概念の抽出とその枠組みを創出することを研究の位置づけとし、介護支援専門員のケアマネジメントにおける多職種連携に必要な「協働的能力」とその構造について明らかにすることを目的とした。 調査の概要:地域包括支援センターに勤務する介護支援専門員に対するインタビュー調査(調査①)から得られた「協働的能力」40項目を中心に、CICS29(日本版)、ENDCOREs尺度等の項目を含んだ自記式質問紙調査票を作成し、全国の居宅介護支援事業所1,500施設及び地域包括支援センター1,500施設(合計3,000施設)で勤務している介護支援専門員を対象に、2022年1月6日~4月30日の期間でアンケート調査(調査②)を行った。 結果:居宅介護支援事業所及び地域包括支援センターに勤務する介護支援専門員5522名に対して調査票を郵送し、1864名から回答があった(回収率33.76%)。 基本属性の内訳:性別;男性410(22%)、女性1450(77.8%)、年齢;平均51.04歳(±9.03)、職場;地域包括支援センター906(48.6%)、居宅介護支援事業所845(50.7%)、主任介護支援専門員914(49.0%)、介護支援専門員の経験年数10.6年(±5.09)、基礎資格;介護福祉士1070(57.4%)・社会福祉士268(14.4%)・看護師178(9.5%)等、であった。 「協働的能力」で高得点項目(5点満点)は、「異なる職種の専門性を尊重する(4.30±0.60)」、で、「CICS29(日本版)」の高得点項目(5点満点)は、「自職種の専門的知識や技術を用いてできることの範囲を理解している(4.27±0.58)」であった。
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