研究課題/領域番号 |
18K10553
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
藤田 淳子 順天堂大学, 医療看護学部, 准教授 (10553563)
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研究分担者 |
福井 小紀子 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (40336532)
河井 伸子 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (50342233)
辻村 真由子 千葉大学, 大学院看護学研究科, 准教授 (30514252)
池崎 澄江 千葉大学, 大学院看護学研究科, 准教授 (60445202)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 訪問看護 / 慢性疾患 / 高齢者 |
研究実績の概要 |
平成30年度の研究計画は、訪問看護の早期生活マネジメントの時期と内容の解明を目標に、文献検討と訪問看護師へのインタビュー調査をすることであった。 文献検討では、国内外の在宅慢性疾患高齢者の看護やケアマネジメントに関する研究知見を整理し、看護内容や看護の効果などについて検討した。その結果、①在宅慢性疾患高齢者への看護として、セルフモニタリング・セルフケアの獲得への支援、QOLの支援、早期発見、家族の力の活用、②多職種連携のための役割として、サポーター、コーディネーター、教育者、評価者、チームメンバーが抽出された。また、看護やケアマネジメント介入の効果は、再入院の減少、患者満足度の向上、セルフケアの向上が認められたが、研究により結果に差があることや疾患による違いの可能性が示唆されており、エビデンスはまだ十分でないことが明らかとなった。 インタビュー調査では、在宅慢性疾患高齢者2事例について、訪問看護師へ各4~5回のグループインタビューを行い、事例の特徴と看護内容について質的に分析した。結果として、自立度の高い事例では、慢性疾患高齢者の生活の質の向上のための目標達成をめざし、リスクアセスメントのうえ、エンパワメントやセルフケア能力獲得を中心に行っていること、自立度の低い事例では、身体・生活状況の詳細な情報収集を行いながら多職種のチーム力の向上をはかり多職種チームへケアの移譲をしていくという特徴があることを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度の計画は、訪問看護の早期生活マネジメントの時期と内容の解明を目標に、文献検討と訪問看護師へのインタビュー調査をすることであった。文献検討については、国内外の研究知見を整理し、在宅慢性疾患高齢者への看護、チームマネジメント、介入効果について明らかにした。インタビュー調査については、2事例の分析にとどまった。今後インタビュー調査のデータ収集の蓄積が必要である。
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今後の研究の推進方策 |
2019年度は以下のように研究を推進する計画である。 ①訪問看護の早期生活マネジメントの時期と内容の解明を目標に、訪問看護師へのインタビュー調査を継続する。 ②他職種の視点からの早期生活マネジメントの必要時期と促進・阻害要因の解明を目標に、他職種へのグループインタビューおよび質問紙調査を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究代表者の体調不良により、計画していたインタビュー調査が完遂できなかった。そのため、次年度に繰り越した助成金については、インタビュー調査のための旅費、謝金、テープおこしなどのその他、分析のための物品費に使用する計画である。
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