研究課題/領域番号 |
18K10554
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研究機関 | 日本赤十字看護大学 |
研究代表者 |
吉川 悦子 日本赤十字看護大学, 看護学部, 准教授 (00435554)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 職場環境改善 / メンタルヘルス一次予防 / 医療機関 / 介護職場 |
研究実績の概要 |
本研究は、医療・介護職場におけるメンタルヘルス一次予防のための包括的職場環境改善プログラムを用いた介入研究を実施し、ストレス対策の効果を精神的健康度や労働生産性とストレスバイオマーカーを含む身体指標を用いて重層的に検討するものである。医療・介護職場で働く労働者が心身共に健康的で安全に働き続けることのできる職場環境の構築を目指し、職務特性や労働条件に応じた実効性の高い組織レベルの包括的職場環境改善プログラムを開発し、医療・介護職の労働生活の質(QOWL)の向上、質の高い医療・介護サービス提供、これらを通じたサービス利用者のウェルビーイングやQOL向上に貢献することを目指す。 1年目は医療・介護職場ですでに実践されているメンタルヘルス一次予防に役立った包括的職場環境改善の良好実践事例を中心に研究を実施し、医療・介護職場介入プログラム要件を整理した。同時に、身体的指標を含めた評価指標の検討、対照群の実施プログラム内容を含む詳細な介入プロトコルの検討を行った。本年度は1年目の知見に基づき、まず1職場でパイロットスタディを実施し、介入プロトコルの調整を行った。介入職場は3職場(医療系2,介護系1)で、各職場に順次介入研究を実施した。短期アウトカム評価(介入後3か月)、ならびに介入職場でのインタビュー調査を中心としたプロセス評価を実施し、包括的職場環境改善プログラムを重層的に評価した。2019年度の成果物としては、医療・介護職場での包括的職場環境改善プログラムのツールと運用マニュアルを作成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
介護事業場はいずれも小規模零細事業場が多く、業務多忙、離職者の増加による人手不足を理由に研究参加に関する了承を得ることが難しかったため、事業場でのリクルートが進まなかった。介入職場でのプログラム開始が遅れたこと。現在も長期的なアウトカムなどのモニタリングを続けているが、新型コロナウイルス関連感染症の発生にて、現在はすべての調査がストップしている。
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今後の研究の推進方策 |
これまで収集されたデータを用いながら、介入職場における職場環境改善の効果について丁寧な分析を行うこと。昨今の新型コロナウイルス関連感染症関連の状況を確認しながら、適時、テレビ会議システムやメールでのインタビュー調査なども含めてデータ収集を行っていく。研究の進捗によっては、対象群を設けない介入研究としていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
リクルートが進まなかったことによる謝金の発生がなかった。
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