研究実績の概要 |
本研究は、医療・介護職場におけるメンタルヘルス一次予防のための包括的職場環境改善プログラムを用いた介入研究を実施し、ストレス対策の効果を重層的に検討するものである。医療・介護職場で働く労働者が心身共に健康的で安全に働き続けることのできる職場環境の構築を目指し、職務特性や労働条件に応じた実効性の高い組織レベルの包括的職場環境改善プログラムを開発し、医療・介護職の労働生活の質(QOWL)の向上、質の高い医療・介護サービス提供、これらを通じたサービス利用者のウェルビーイングやQOL向上に貢献することを目指す。 1年目は医療・介護職場ですでに実践されているメンタルヘルス一次予防に役立った包括的職場環境改善の良好実践事例を中心に研究を実施し、医療・介護職場介入プログラム要件を整理した。同時に、対照群の実施プログラム内容を含む詳細な介入プロトコルを検討した。 2年目は、1職場でパイロットスタディを実施し、介入プロトコルの調整を行った。介入職場は3職場(医療系2,介護系1)で、各職場に順次介入研究を実施したが、これらの職場での介入は、新型コロナウイルス感染症の拡大によって中止となった。2019年度の成果物としては、医療・介護職場での包括的職場環境改善プログラムのツールと運用マニュアルを作成した。 3年目である2020年度は、遠隔での職場環境改善プログラムの実現可能性を検討すべく、障害者福祉施設で働く職員を対象にウェブ会議システムZoomを用いた完全オンラインプログラムを3回実施した。以上の研究成果から、医療・介護職場においてメンタルヘルス一次予防のための遠隔職場環境改善プログラムを実施する際のツール(フォーム機能付きアクションチェックリスト、ウェブサイトベースのアクションチェックリスト)が開発された。
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