研究課題/領域番号 |
18K10560
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研究機関 | 佛教大学 |
研究代表者 |
濱吉 美穂 佛教大学, 保健医療技術学部, 准教授 (80514520)
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研究分担者 |
河野 あゆみ 大阪市立大学, 大学院看護学研究科, 教授 (00313255)
松岡 千代 佛教大学, 保健医療技術学部, 教授 (80321256)
阿部 慈美 佛教大学, 保健医療技術学部, 講師 (10823297)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | ACP / 地域包括ケア / 意思決定支援 / エンドオブライフケア |
研究実績の概要 |
本研究は地域包括ケアにおける医療職と介護職が共有するACPガイド冊子・ガイドラインを作成し、地域包括ケアシステムにおけるガイド冊子活用に関する普及啓発を進めながらその効果を評価することを目的としている。これまでの研究期間においては3つのプロジェクトを同時に展開させてきた。第1に、ACPガイド冊子の開発、第2に地域包括ケア専門職者と一般市民向けの教育啓発の実施、第3にその効果を検証する調査の実施、という3つのフェーズで研究を進めている。第1のフェーズでは地域包括ケアシステムにおける主要メンバーでACP普及チームを構成し、専門職間のディスカッションを進める中でACPガイド冊子を完成させた。第2のフェーズでは、一般市民へのACPガイド冊子を用いた教育啓発を行い、教育啓発による効果を評価している所である。A地域での教育併発は終了し、実施前・後のデータ収集は終了しており現在解析と成果発表の準備を進めている。1年後の状況を評価する予定であったがコロナ禍が続き、データ収集が困難となってしまっている。第3のフェーズでは、地域包括ケア多職種専門職者へのACPガイド冊子を用いた教育啓発の効果評価を行っており、A地域ではその効果評価のデータ収集を終えている。B地域においては、コロナ禍が続きACP啓発チーム運営が立ち行かない状況が続き、継続が難しくなったため、データ収集を当初予定の前段階で一旦終了させている。当初予定していなかったオンラインによる会議で代替実施を試みたが、当初の予定通りに進んでいない。活動実施前・1年後の質問紙調査は終了しているが、最終データはプロジェクト途中のため未収集である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナ禍となるまでは順調にACPガイド冊子の開発も進み、ACPガイド冊子活用の試行から進めて市民への教育啓発、地域包括ケアシステムでの活用に至る教育啓発まで進める事ができていたが、コロナ禍となり、対面で予定していた教育啓発の場が全て中止となり、オンラインでの実施に一部切り替えていたが、感染クラスターの発生による医療・地域医療現場で働く専門職が集中して集まる機会を持てないなど、当初予定していた状況よりかなり遅れを取ってしまっている。また、介入直後のデータ収集は終えたものの、コロナ禍となり1年後のデータ収集が困難な状況となり当初計画していた予定通りにデータを収集するのが難しい状況である。しかしながら、2022年度に入り別地域での一般市民向け教育啓発活動が対面で開始でき始めていることから、本研究期間を1年延長させたことにより、一定の効果評価まで検証を進めることができると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
本研究期間は、2022年度1年間の延長を申請し認められている。現在、前回データ収集を行った地域とは別地域の一般市民向けのACPガイド冊子を用いた教育啓発を進めており、その前後による効果評価のデータ収集を実施している所である。加えて、ACPガイド冊子の地域包括ケアにおける普及効果については、コロナ禍によりチーム会議の開催とデータ収集の予定から変更し、ACPガイド冊子に関わり地域における活用・普及を進めている地域包括ケアシステム多職種専門職者を対象とした個別インタビュー調査を行って、効果を評価する事を計画している。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍が続き、予定していた教育啓発活動やチーム会議が開催できずに2年間思うような活動ができず研究も滞っていた。2022年度になって少しずつ対面での会議や啓発の機会が得られつつあり、2022年度まで研究期間を延長させたことで、当初の予定とは違った形にはなるが、効果検証を実施できると考えている。よって今年度に使用する予算が生じている。
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