研究課題/領域番号 |
18K10566
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
北宮 千秋 弘前大学, 保健学研究科, 教授 (10344582)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 健康相談 / 保健指導 / 動脈硬化 / 終末糖化産物 |
研究実績の概要 |
3年目は、7月から健康支援プログラムとして健康相談を8回実施した。健康相談の延べ利用者数は143名であり、1回あたりの相談件数は17.9名であった。相談来室者の内訳は、10~20代11名、30代23名、40代26名、50代34名、60代33名であった。正職員56名、派遣職員25名、臨時職員15名、その他18名(住民を含む)、無記名8名であった。 相談内容の内訳は、身体のこと74.2%、こころのこと7.3%、家族のこと1.6%、放射線のこと0.8%、その他17.5%であった。睡眠は13.7%(前年度28.5%)が悪いと感じており、気分が優れないは3.2%(前年度12.9%)であった。食欲は3.2%(前年度4.3%)がないという自覚があった。Faceスケール(9段階)では中央値は5と口角がまっすぐな表情となった。相談後は7と口角が上がる状態の表情が選ばれた。いずれも前年度より改善傾向が認められた。 今年度8回の健康相談において行った血管年齢測定では、年齢から血管年齢を差し引いた差は、中央値-1.0歳、平均値-0.45歳であった。ほぼ標準的な水準で血管年齢が保たれていた。男女差はなく、血管年齢が23歳若い人から32歳動脈硬化が進んでいる人までばらつきがあり、生活習慣の中でも特に食事と運動について、改善に向けた支援を行った。また、今年度新たに終末糖化産物(Advanced Glycation End Products:AGE)測定を行い、中央値-9歳、平均値-9.9歳であり、-29歳~+19歳の分布をとった。良好な数値と評価できる。 環境要因として、道の駅が開業したことによる人の交流に関する変化や食堂やパン販売店等が設けられたことによる社会的環境の変化があったことが、社会的な側面のみならず、身体的心理的にも職員の健康意識の向上につながっていると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和2年3月以降新型コロナウイルスの感染防止のため、計画に遅延がみられた。 健康相談開催について自治体の了承が得られ、継続的に健康相談が行われている。また、開催回数は自治体の受け入れ状況を確認しながら、実施計画を見直し、柔軟な対応がとられた。特に昨年度は地震等による影響もあり、事業参加者数に若干減少がみられた。 健康相談開催時には当該自治体職員の協力を得られており、比較的順調に事業が行われた。次年度の計画について今年度同様に行うことで自治体からの了承を得られている。
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今後の研究の推進方策 |
継続的な保健指導をさらに続けて実施する。自治体の感染症への方針を尊重しつつ、受け入れ状況を確認し、可能な時期に継続して健康相談を実施する。健康相談開催が実施できない期間に今までの健康相談データの整理等分析をすすめる予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究を行うにあたり、旅費を多く計上していた。今年度、新たな事業の受け入れにより旅費を他事業からも支出することができたことにより予算の節約につながった。今後、継続的に健康相談の開催や学会での公表、データ化に伴う人件費等により使用していく計画である。場合によってはWeb会議システムを導入した職員への健康相談の開催を行うための整備予算として使用する可能性がある。
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