研究課題/領域番号 |
18K10570
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
松浦 治代 鳥取大学, 医学部, 教授 (70243409)
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研究分担者 |
山本 美輪 香川大学, 医学部, 教授 (70353034)
三好 陽子 鳥取大学, 医学部, 准教授 (80746967)
吉村 純子 鳥取大学, 医学部, 助教 (10757694)
徳嶋 靖子 鳥取大学, 医学部, 助教 (30548649)
南前 恵子 鳥取大学, 医学部, 教授 (30252878)
仁科 祐子 鳥取大学, 医学部, 准教授 (70362879)
金田 由紀子 鳥取大学, 医学部, 准教授 (30335525)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 災害 / 難病 / 患者会 |
研究実績の概要 |
災害時の難病患者支援について、患者会の活動はどのようなものか。文献から災害に対する患者会の役割について検討を行った。患者会の役割は、7つに集約された。1)《被災した会員に必要な物資が届くよう支援する。》直接物資を届けたり、物資を届けるよう連絡したりしていた。2)《被災した患者や家族の心の支えとなる。》患者が孤立しない様に連絡を取る支援を行っていた。3)《被災の状況を把握し対策につなげる。》「被災した難病連と難病相談支援センターを訪問し、現地の被害の様子を聞いた」など、調査、聞き取りを行っていた。4)《患者と家族、そして彼らを支える地域住民、関係者の力を高める支援を行う。》関係機関と連携し情報や学ぶ機会を提供していた。5)《各機関、団体からの意見や情報を共有する連携体制の構築に参画する。》多機関との連携体制に参画していた。6)《国や県に災害対策の必要性を訴える。》患者会から組織的に国や県などに要望を出していた。7)《疾患の特徴をふまえ患者会として災害対策にどのような役割を果たすか検討し続ける。》災害対策として患者会はどのような活動をしていくのか課題に取り組む活動をしていた。 患者会には、発災時から公助の支援が届くまでの間に、迅速に支援対応できる役割があった。物資の供給など患者への直接的な支援だけでなく、患者が孤立せず、業者や保健、医療機関との連絡が途切れない様に連絡、仲介する、そして精神的支援の役割があると考える。平常時には、会員への情報提供、教育だけでなく患者会として関係機関が連携する場に情報提供者としても参画し、非常時に向けた連携の体制づくりをしておく必要がある。連携体制の状況は常に変化しており、患者会として何ができるか検討し続けることも求められる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
難病患者会の代表を対象に、アンケート調査、インタビュー調査を実施する計画であったが、調査内容及び方法の検討に時間がかかった。また、調査を依頼する患者会等の関係機関の選出、調査対象者との連絡調整が十分にできず、研究協力依頼、実施ができなかった。 特に、インタビュー調査については、新型コロナ感染症を考慮すると、研究者の県外流行地への移動や難病等の当事者である患者会会員を対象とした、直接対象者に対面してのインタビューは実施が難しく、対策としてzoom等の遠隔等の方法を考慮する必要があったため、方法が十分に検討できなかった。
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今後の研究の推進方策 |
文献研究の結果をもとに、調査用紙を作成し、全国の難病患者会を対象に、災害対策・支援についての活動の実際、災害支援実施の困難な内容についての郵送法アンケート調査を実施する。 鳥取県内の難病患者会役員を中心に、調査協力の承諾が得られた団体代表に対して、患者会としての災害対策の実際、運営、連携、協働、困難についての対面インタビューを実施する。またzoom等の遠隔会議システムの活用、電話インタビューによる県外対象者へのインタビューを実施し、患者会による災害支援の実際と運営・工夫、災害支援を実施するうえでの支障・困難の内容、実施のあり方について検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
郵送によるアンケート調査と対面でのインタビュー調査を実施する計画であったが、調査用紙の検討が遅れたことで、対面以外のインタビュー実施方法の検討が不十分で対象者への依頼ができず実施できなかった。 次年度は、難病患者会を対象としたアンケート調査とインタビュー調査を実施する予定である。アンケートについては患者会事務局への郵送によるアンケート調査のための物品購入、アンケート印刷、郵送物品、送料、データ分析補助者謝金として支出する計画である。インタビューについては、県内対象者には、対面で行う計画であり旅費の支出を、県外の対象者については、zoom、電話等を使っての遠隔インタビューを実施する計画であり、遠隔会議システム費用、録音機材等の必要物品の購入、逐語録作成謝金、調査対象者謝金、分析及び指導助言謝金を支出する計画である。また、成果発表費用を支出する計画である。
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