研究課題
2023年度に実施したアンケート、インタビューの分析を行った。結果を報告書にまとめ、患者会へ送付した。複数の会から、行政他、関係機関と共有し、患者会としての災害対策検討に活用する旨の反応があった。アンケートは、指定難病のうち、ホームページで連絡先の確認ができた患者会に郵送またはwebで回答を依頼した。配布数132、回答数65、回収率49.2%であった。会としての災害支援の意向は、「できるだけする」28.1%、「する方が良い」28.1%、「会としては無理」40.7%であった。発災時に予想される困難として、避難の問題、避難所の環境(バリアフリー化、トイレ等)、食事療法の継続、医療・処置の継続、集団生活の問題(人間関係、ストレス)等があげられた。患者会としてできることは、情報提供・情報発信、安否確認・メンタルサポート、会の特徴(規模や会員の症状等)に合わせて実施可能なことをする、であった。一方、会単独の活動の限界があった。支援活動の助けは、「情報」「連携」「資金・物資」「通信ツール」「その他」に分類できた。「情報」は一般的な災害対策、福祉避難所、医療等、「連携」は、自治体・地域、患者会同士、製薬会社等と、「その他」としては、地域住民に地域在住の難病の患者や被災者の存在を理解・把握してもらう、災害訓練、各自に必要な備えのリストアップ等があった。困難としては、遺伝病などの差別を恐れる等の「プライバシー管理」があった。インタビューは、21団体、34名の協力を得て実施した。患者は「自助が大切」であり、「患者会も助ける側になれる」との意見があった。患者会としては「情報提供・発信、注意喚起」「安否確認」「物資配布・アドバイス」「勉強会」「訓練」「マニュアル作成」「病名の登録・公表」「患者同士、地域・自治体・製薬会社等との連携」「被災者に聞く」「顔の見える関係づくり」等を促す役割があげられた。