研究課題/領域番号 |
18K10571
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
谷垣 靜子 岡山大学, 保健学研究科, 教授 (80263143)
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研究分担者 |
長江 弘子 東京女子医科大学, 看護学部, 教授 (10265770)
岸田 研作 岡山大学, 社会文化科学研究科, 教授 (30346407)
乗越 千枝 梅花女子大学, 看護保健学部, 教授 (70389500)
仁科 祐子 鳥取大学, 医学部, 講師 (70362879)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 訪問看護 / 意思決定支援 / 生活満足 |
研究実績の概要 |
本研究は、医療依存の高い非がん患者(在宅看取りを含む)(以下、重度療養者)を対象に、QOLを生み出す訪問看護「活動」のプロセスとアウトカムに着目して分析を行い、訪問看護活動の見える化を測る指標の開発と検証を行う。指標では、訪問看護の質向上を目指し、自ステーションの強みや弱みを分析できるベンチマーキング方式を取り入れることを検討している。 2019年度は、2018年度の文献のなかから重要なキーワードとなった「意思決定支援」と「生活の満足度」を中心に訪問看護師の看護活動プロセスに取り組んだ。方法は、訪問看護師へのインタビューである。同時に、重度療養者の家族にも聞き取りをした。まず、意思決定支援は、重度療養者がどう生き、どのような死を望んでいるのかということに迫る中身である。訪問看護師は、療養上の看護ケアの中から、本人の声を聴き洩らさないようしていることが明らかとなった。意思決定は、状況によっては揺れ動くが、意思を表明することで、本人の「生活の満足度」も上がることが分かった。また、家族も本人の「願い」を知ることで、家族としての思いを表出し、相互に理解し合う状況を生み出していた。保健医療福祉の関係者は、重度療養者とその家族に対し、連携を図りながら「意思決定支援」を行っていることが明らかとなった。訪問看護師は、最期の時をどのように過ごしたいのか、本人と家族の揺れ動く思いに添いながらも、誰(機関)と連携を図ることが最善の看護につながるのかということを考えて行動されていることが分かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
訪問看護師の看護活動の実際について、プロセスについては明らかになりつつあるが、アウトカムがはっきり見えてこない状況にあり、やや遅れ気味である。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、重度療養者に対する訪問看護師の看護実践のプロセスとアウトカムを明確にしていく。アウトカムを明確にし、ベンチマーク指標を導き出すために、訪問看護師の看護実践について参加観察を取り入れる必要があるか検討を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
助成金が翌年度に回った原因は、海外での成果発表を計画していたが、実行できず、旅費の支出が滞ったためである。今年は、成果を明確にして、国内外で発表していく計画である。
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