研究課題/領域番号 |
18K10573
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
寺岡 佐和 九州大学, 医学研究院, 准教授 (60325165)
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研究分担者 |
鳩野 洋子 九州大学, 医学研究院, 教授 (20260268)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 園芸活動 / 認知症高齢者 / 住民ボランティア / 認知症予防 / 認知症理解 |
研究実績の概要 |
本研究は、福岡市内に所在する小規模多機能型居宅介護施設において、認知症である施設利用者と認知症でない地域のシニア世代のボランティア(以下、シニアボランティアとする)を混合で対象とし、これまでに研究者が開発してきた認知症の重症化予防に効果的な園芸活動を行い、シニアボランティアの認知症の抑制や遅延、早期発見にも有効な、予防的ケアとして活用でき、さらに、認知症者への理解促進にも効果的な園芸活動プログラムを検討し、開発することを目的としている。 今年度は、本研究を遂行するにあたり、施設で実施された運営推進会議において、これまでの研究成果と、今後の研究について、施設職員や民生委員、自治体の職員などの参加者を対象に、研究への理解と協力が得られるよう説明を行った。その結果、運営推進会議参加者は、施設で行っている園芸活動に対して関心を持っていることがわかった。 また、今年度は研究者が所属する機関の倫理審査委員会における承認が年末になったこともあり、シニアボランティアを広範囲に募集することができず、民生委員1名がプレテスト的に園芸活動をサポートしてくれた。その結果、当初、シニアボランティアには施設利用者と園芸活動を行ってもらうことを計画していたが、まずは各シニアボランティアの得意なことを聞き取り、得意な分野で施設内の活動に参加してもらう中で施設利用者とのかかわりを持つようにし、次第に園芸活動へと活動を拡大していくなど、シニアボランティアの活動内容について施設管理者および職員と再度検討を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
倫理審査委員会の承認や施設利用者の研究協力の同意は得ることができた。 複数のシニアボランティアの募集はできなかったが、プレテスト的に行ったことで、これまでに認知症高齢者と関わった経験が少ないシニアボランティアの場合の活動方法などについて検討の必要性に気づくことができた。 施設管理者および職員の同意も得て進めることができていることから、おおむね順調に進展していると評価した。
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今後の研究の推進方策 |
複数のシニアボランティアを募集し、シニアボランティアが自然な形で施設内での活動に参加し、施設利用者と関わる機会をつくることで、認知症者理解を促進してきたいと考える。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究者が所属する機関の倫理審査委員会は月に1回、日中の時間限定でしか開催されず、自身が従事している教育業務のため倫理審査委員会のヒアリングに出席できなかった。そのため、倫理審査委員会の承認を得るのに時間を要したため、次年度使用額が生じた。 次年度は本格的に研究を遂行していくため次年度請求額を上回る支出となり、今回生じた次年度使用額から補てんする状況となることが予想される。
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