研究課題/領域番号 |
18K10575
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
當山 裕子 琉球大学, 医学部, 講師 (90468075)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 母子保健推進員 / 保健師 / 住民組織 |
研究実績の概要 |
地域住民の主体的な健康づくりには、行政だけでなく住民組織や地域の民間企業、団体等の主体的な参加が必要であり、地域住民から構成される組織への支援は保健師の機能として重要である。 地域の住民から母子保健活動や公衆衛生活動に資する人材を選定し、育成し、組織化するプロセスは、どのようなものであったか検討する為に、沖縄県で活躍した駐在保健師の経験や文献・資料収集を行い整理し記述することにより、次世代および海外の開発途上国へ伝えていくことが必要と考えた。しかし、沖縄県における駐在保健師制度が廃止(平成9年3月)され、駐在保健師経験者も高齢化している。当時の経験をインタビューするには、経験者たちが健在である今が貴重な機会である。 本研究の目的は、沖縄県の母子保健推進員の組織化に携わった駐在保健婦や関係者へのインタビュー調査、資料・文献等の収集を行い、この記述研究を基に、組織化の意義やプロセスを理解し、住民組織活動と協働する保健師の役割を明らかにすることである。本研究の結果は、住民組織の組織化に関わる保健師の実践や開発途上国への教材作成の参考資料に資する。 2018年度は、沖縄県母子保健推進協議会事務局等の関係機関へ研究の趣旨を説明し、研究協力への了解を得た。あわせて研究の趣旨に合致したインタビュー調査の対象者について情報を得て、駐在保健師経験者や母子保健関係者への調査の調整中であり、2名の関係者にインタビューを実施することができた。並行し、関係機関へ戦後沖縄の公衆衛生の状況を把握できる資料や、母子保健行政、母子保健推進活動に関わる資料を収集した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画に沿って遂行できている.
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今後の研究の推進方策 |
前年度から引き続き関係機関から紹介を受け了解の得られた駐在保健師経験者や母子保健関係者へのインタビューを行う。離島市町村に在住する駐在保健師経験者や関係者についても調査対象とする。得られたデータを質的に分析し、戦後の沖縄の公衆衛生の状況と駐在保健師制度の意義や沖縄県内の母子保健推進員活動の成り立ちと駐在保健師の機能について検証する。
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次年度使用額が生じた理由 |
物品費としてパソコン等の購入を検討していたが、年度末となったため、翌年度に持ち越した。学会等へ情報収集等で参加したが、他の予算から支出したため、本科研費分は未使用となった。次年度は、年度当初から計画的に物品、旅費等の支出を実行したい。具体的には、ノートパソコンの購入、学会等への参加、離島地域への調査である。
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