研究課題/領域番号 |
18K10583
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研究機関 | 県立広島大学 |
研究代表者 |
飯田 忠行 県立広島大学, 保健福祉学部(三原キャンパス), 教授 (50290549)
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研究分担者 |
伊藤 康宏 藤田医科大学, 保健学研究科, 教授 (40176368)
三宅 隆 大阪大学, 医学系研究科, 寄附講座准教授 (40219746)
江副 智子 島根大学, 学術研究院教育研究推進学系, 教授 (40232954)
巽 あさみ 浜松医科大学, 医学部, 教授 (90298513)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | マインドフルネス / 看護師 / 抑うつ / 不安 / 睡眠 |
研究実績の概要 |
平成30年度「過労死等の労災補償状況」(厚生労働省:令和元年6月28日公表)において,仕事による強いストレスが原因で精神障害を発症し労災請求をした業種のトップは,「医療,福祉」で請求件数全体の17.6%の320件であった。保健医療職の一つである看護師は,心理的ストレスが高いと報告され,その要因として仕事量の負担度やコントロール,適性などの職業性ストレッサー関与のほか,他の職種の女性と比較しても仕事量負荷や役割葛藤などのストレスが高く,最も抑うつ度が高い職種とされる。看護師は,ストレスが離職選択における最も重要な因子であるともいわれていることから,看護師に対するストレスマネジメントは喫緊の課題であると考えられる。しかしながら、これまでの看護師の調査は,交代勤務時や交代勤務を行っていない日勤帯のみの看護師の心理的ストレスの調査は行われている。しかしながら,時間的余裕がある休日も含めた心理的ストレスと睡眠の質と量を同時に評価したものはない。 一方,看護協会ではストレス対策としてセルフケアが行われ,その一つであるマインドフルネスでは,自覚的ストレスや睡眠状況などの主観的評価が多く,客観的指標を用いた研究は皆無である。そこで,本研究では,看護師の自覚的ストレスと睡眠の質と量の比較を,勤務時と休日時に分けて行った。そして,抑うつ傾向者および睡眠不良傾向者を抽出し,マインドフルネスを介入し,自覚的ストレス,睡眠状況の変容の有無を経時的に検討した。自覚的ストレスと睡眠の勤務時と休日時の比較では,抑うつ尺度(BDI-Ⅱ),不安尺度(STAI),睡眠の質と量(PSQI-J)のいずれも勤務時と休日時で有意な差は認められなかった。マインドフルネスの効果検証では,勤務時ではBDI-Ⅱで介入後の方が有意に低値であった。休日時はPSQI-Jで介入後の方が有意に低値であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
検体の採取は終了しており、メラトニンやセロトニンといったバイオマーカーの測定を残している。これらの測定を行ったのちに論文の作成に取り掛かるため、やや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
早急に検体の測定を行い、看護師におけるマインドフルネスの効果についてバイオマーカーを含めた客観的指標の評価を行うと同時に論文化を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
被検者の検体採取は終了しているが、バイオマーカーの測定および論文作成が遅れているため、次年度にこれらの費用が繰り越しとして残っている。
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