研究課題/領域番号 |
18K10583
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研究機関 | 県立広島大学 |
研究代表者 |
飯田 忠行 県立広島大学, 保健福祉学部(三原キャンパス), 教授 (50290549)
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研究分担者 |
伊藤 康宏 四日市看護医療大学, 看護医療学部, 教授 (40176368)
三宅 隆 大阪大学, 大学院医学系研究科, 特任准教授 (40219746)
江副 智子 島根大学, 学術研究院教育研究推進学系, 教授 (40232954) [辞退]
巽 あさみ 人間環境大学, 看護学部, 教授 (90298513)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 看護師 / マインドフルネス / 抑うつ / セロトニン / メラトニン |
研究実績の概要 |
看護師の離職理由の1つに強いストレスが原因となっていることが報告されているが,勤務時のみの調査が多い。看護協会では対策としてセルフケアが行われ,その一つであるマインドフルネスでは,自覚的ストレスや睡眠状況などの主観的評価が多く,客観的指標を用いた研究は皆無である。本研究では,看護師の自覚的ストレスと睡眠の比較を,勤務時と休日時に分けて行った。そして,抑うつ傾向者および睡眠不良傾向者を抽出し,マインドフルネスを1ヶ月間介入し,自覚的ストレスや睡眠状況の変容,ストレス関連バイオマーカーを経時的に検討した。自覚的ストレス調査は,うつ尺度としてBDI-Ⅱ,不安尺度としてSTAI(状態・特性)を用いた。睡眠の質と量として, PSQI-Jを用いた。マインドフルネス介入前後における効果検証では,抑うつ傾向者(BDI-Ⅱが10点以上)と,睡眠不良傾向者(PSQI-Jが6点以上)を抽出し,昼食前と就寝前の唾液からストレス関連バイオマーカーとしてセロトニンとメラトニン濃度を測定した。自覚的ストレスと睡眠の勤務時と休日時の比較では,BDI-Ⅱ,STAI,PSQI-Jのいずれも勤務時と休日時で有意な差は認められなかった。マインドフルネスの効果検証において,抑うつ傾向者では,介入後でBDI-Ⅱは有意に低値を認め,セロトニン濃度は有意な高値,メラトニン濃度は境界有意な高値を認めた。睡眠不良傾向者では,介入後でセロトニン濃度は有意な高値を認めた。睡眠不良傾向者への介入では,介入後でセロトニン濃度は有意な高値を認めた。勤務時から休日時を含めた検討により,勤務時に受けるストレスが休日時まで持続していることが示唆された。マインドフルネスの介入によって,抑うつや睡眠不良傾向の改善が認められ,セロトニンとメラトニン濃度がマインドフルネスの効果指標として有効であることが示唆された。
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