研究課題/領域番号 |
18K10586
|
研究機関 | 名桜大学 |
研究代表者 |
安仁屋 優子 名桜大学, 健康科学部, 助教 (60756998)
|
研究分担者 |
卯田 卓矢 名桜大学, 国際学部, 上級准教授 (20780159)
下地 幸子 (シモジユキコ) 名桜大学, 健康科学部, 准教授 (50804639) [辞退]
島田 友子 名桜大学, 健康科学部, 教授 (80196485) [辞退]
佐久川 政吉 沖縄県立看護大学, 看護学部, 教授 (80326503)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | 地域力 / 近助 / 地域の強み / 相互扶助 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、沖縄県の対照的な2地区(都市部:A区、農漁村部:B地区)における地域の特性(歴史・文化、医療・介護サービス基盤等)と地域力(社会資源、地域への愛着度等)を把握し、これまでの研究成果(地域力)を踏まえ、認知症や地域づくりに関する意識と、地域特性の活用方法を明らかにすることである。さらに、地域住民との関係性づくりのための認知症の理解を深めるための普及・開発を行いながら、「近助」力を活かした認知症の人にやさしい地域包括ケアシステムの開発をすることである。 A区とB区は同じ市内であっても、それぞれ異なる歴史・文化背景と地域住民のつながりを基盤とした地域ケアがあることがわかった。A区では都市部ということもあり、買い物や医療サービスへのアクセスが比較的容易であること、自治体の老人会の行動力と地域を守る体制が柔軟であることが明らかになった。今後は独居高齢者の見守り体制、災害時の対応やマップの作成について検討していく必要がある。 B地区では農漁村の特性を活かした強い地域コミュニティが存在し、住民間の協力が密接であること、地域ケアの基盤が豊年祭などの伝統行事によって強固なものとなっていることが明らかになった。地域の自治会(公民館)や老人クラブなどは、伝統文化を支える重要な基盤となっていた。伝統行事の運営や毎年行われる豊年祭の一大イベントを通じて、地域住民の連帯感を強化しており、そのことが普段の生活の住民同士のケアにつながっていた。認知症になっても地域で暮らすことが可能な風土が存在しており、このことを地域住民によるケアシステムの構築に大きく寄与すると考える。 本研究は、各地域の特性を活かしながら、認知症にやさしい地域包括ケアシステムを構築するための具体的な方法:地域力について把握することができた。今後も地域ごとの課題に対応した持続可能なケアシステムの開発を目指していく。
|