研究課題/領域番号 |
18K10588
|
研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
木下 ユリコ 慶應義塾大学, 看護医療学部(藤沢), 助教 (20816590)
|
研究分担者 |
永田 智子 慶應義塾大学, 看護医療学部(藤沢), 教授 (80323616)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
キーワード | 在宅療養者 / 看護小規模多機能居宅介護 / 介護支援専門員 / ケアマネジメント / 家族介護者 / 健康支援 / 自己評価プログラム |
研究実績の概要 |
在宅療養者が望む可能な限りの暮らしを実現するために、家族介護者の介護状況や体調についてマネジメントすることは重要である。そこで、地域密着型サービスに位置付けられた看護小規模多機能型居宅介護(以下、看多機)に焦点をあてて、通い、泊まり、訪問(看護・介護)のサービスを一元的に管理している介護支援専門員(以下、ケアマネジャー)が介護者の健康に関してどのように意識し、ケアプランを作成しているのかを明らかにすることを目的に、無記名自記式質問紙調査を行った。 調査対象は、2018年3月時点で全国の看多機(331ヶ所)に勤務しているケアマネジャーに質問紙を郵送し、171名から有効回答が得られた(有効回答率51.6%)。ケアマネジャーの所有資格は、介護福祉士(68.4%)、看護師(18.7%)であった。 介護者の健康に関する意識や情報収集の方法などについて記述統計を算出した結果、質問紙の「介護者の健康について意識して情報収集しているか」は、99.0%がしていると回答した。「情報収集の方法で常に行っている項目」は、スタッフからの報告を聞く(75.6%)、月1回程度のモニタリングの時など介護者本人に直接聞く(75.0%)、送迎時など利用者宅に行ったときに介護者の言動などの様子を観察する(72.1%)であった。 また、「介護者の健康に関して重要だと思う項目」は、【気分や精神面での不安などがないか】は99.7%と最も高く、次に、【睡眠の確保】と【日常生活に支障がないか】は共に、94.5%であった。一方、【介護者は健診を受けているか】は56.4%に留まった。 さらに、看多機の管理者4名、ケアマネジャー3名より、インタビュー協力についての同意が得られた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ケアマネジャーにおける家族介護者の健康支援に対する意識を把握し、どのような方法で情報収集し、ケアマネジメントされているのかが明らかになった。また、在宅療養者が看多機を利用するに至った主な要因やその経緯などについても整理できた。 2019年度の研究予定では、地域の特性等をふまえた介護者の自己評価プログラム(案)の作成を予定していた。具体的な効果的アプローチの方法について、検討を進めて内容をまとめている状況であり、概ね順調に進展している。 なお、2019年11月に在宅療養者が看多機を利用するに至った個別要因やその経緯などについて所属大学のフォーラムにてポスター発表を行った。
|
今後の研究の推進方策 |
無記名自記式アンケートの調査結果から、インタビュー調査の分析を進め、介護者自身が体調変化に対して誰に相談しているのか、またケアマネジャーに表出でき上手く生活の質(QOL)を維持できている要因など、介護者自身の健康にむけた自己評価プログラム (案)に基づいた行動変容の促進プラグラム(案)の予備調査を行い、初版作成予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
2020年度も研究年度であるため、当初より予算を配分していました。2019年度2月に研修セミナーへの参加予定の研修セミナーが、新型コロナウイルスの関係で延期となり2020年度7月頃に開催予定となっています。
|