研究課題/領域番号 |
18K10592
|
研究機関 | 日本赤十字豊田看護大学 |
研究代表者 |
清水 美代子 日本赤十字豊田看護大学, 看護学部, 准教授 (80711168)
|
研究分担者 |
眞崎 直子 聖マリア学院大学, 看護学部, 教授 (40548369)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | 就労介護者 / 仕事と介護の役割遂行における葛藤 / ワーク・ファミリー・コンフリクト / アセスメント指標 |
研究実績の概要 |
令和元年度は、質的研究の結果および文献から項目を追加し、就労介護者の仕事と介護の役割遂行における葛藤のアセスメント指標項目案を作成した。令和2年度は、そのアセスメント指標項目案の内容妥当性を修正デルファイ法により検討し、アセスメント指標項目を精選して確定することを目的とした。 最終的にアセスメント指標が開発できると、就労介護者の健康管理や職場ができる支援内容が具体化でき、それらの支援によって、介護による離職を防ぎ、就労継続に貢献できるものと考える。したがって、産業看護職としての専門的知識と5年以上の実務経験を有し、日本産業衛生学会に登録されている産業保健看護専門家をエキスパートのメンバーとした。 修正デルファイ法は、同一専門家に郵送法による調査を複数回繰り返し、意見を集約するデルファイ法を修正した方法で、郵送法による調査と直接対面で話し合う会議を行い、意見を集約する。本研究では、産業保健看護専門家7名の協力を得て、修正デルファイ法を第1~第3ステップで行った。第1ステップは郵送法による質問紙調査、第2ステップはエキスパートメンバーによるWeb会議、第3ステップは郵送法による質問紙調査を行い、アセスメント指標項目案の妥当性、適切性を検討した。 その結果、項目の表現を変更したのが13項目、項目を削除したのが1項目、追加した項目が1項目となり、76項目となった。 さらに、内容妥当性を示すCVI(Content Validity Index)を確認し、CVIが0.8未満の7項目を削除した69項目をアセスメント指標項目として確定させた。 今年度は、69項目のアセスメント指標項目を用いて、就労介護者を対象とする質問紙調査(本調査、再調査)を行っていく予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の影響により、産業保健看護専門家の名簿許諾の審査が遅くなり、許諾を得るまで2か月を要した。また、産業保健看護専門家の方々の募集も思うように進まず、時間を要した。さらに、産業保健看護専門家の方々も在宅ワークが基本となっていたため、勤務先に来ることが少なくなり、調査票の回収が遅れ気味となった。
|
今後の研究の推進方策 |
令和2年度内に、アセスメント指標項目を確定することはできた。現在、就労介護者を対象とする質問紙調査を行うために研究倫理審査申請書類を作成したところである。プレテスト実施後に本調査を行い、アセスメント指標の安定性を確認するために、再調査を行う予定である。今年度も新型コロナウイルス感染症の影響が懸念されるが、感染が落ち着いたところで調査依頼ができるように郵送の準備などは早めに行っておく。
|
次年度使用額が生じた理由 |
修正デルファイ法によるエキスパート会議を直接対面で行うように計画時点では予定していた。しかし、新型コロナウイルス感染症の影響により、Web会議に切り替えた。したがって、レンタル会議室代と産業保健看護専門家の方々へわたす予定であった飲み物・昼食代、交通費実費の支払いがなくなった。また、質問紙調査を行わなかったため、質問紙の用紙や封筒代、印刷代、郵送料などの経費がかからず、次年度への繰越金が多くなった。 今年度は、研究倫理審査委員会の承認を得次第、調査を依頼し、プレテスト、本調査、再調査を行っていく。質問紙の用紙や封筒代、印刷代、郵送料などで使用する予定である。
|