本研究は、訪問看護ステーションの第3者評価指標、特に地域包括ケアに関するものに焦点をあてた研究である。訪問看護ステーションの評価としては、介護保険をはじめとして各種評価指標があり、実施されている。しかし、第3者による評価はいまだ実施されていない。訪問看護は地域医療の中でも、在宅療養者への看護を提供するといった医療の中でも重要な役割、機能を果たしている。特に地域包括ケアの中心的存在ともいえる。訪問看護ステーション管理者を対象とした調査では、それぞれの訪問看護ステーションは、地域特性に対応した地域包括ケアの役割への期待と責任をもち、その役割を果たそうと努力をしていた。例えば、医療機関の少ない山間部の訪問看護ステーションは、終末期ケアへの取り組みをしていたり、都市部の訪問看護ステーションは、他の機関との連携をとることや、介護予防活動への啓発に取り組んだりしていた。これらの地域包括ケアに関する訪問看護ステーションの取り組みの多様な取り組みは、地域特性に対応したものといえる。これらのことを踏まえて、評価項目の作成を行う示唆を得た。最近の動向として、地域包括ケアに関する訪問看護ステーションの活動内容は、COVID-19感染症流行に伴い、この感染症の自宅療養者及び家族に対する新たな役割も期待される。看護師自身の身を守る感染症管理も重要である。これらの最新の課題を考慮し、かつ、地域特性を反映した新たな評価項目・内容の作成が必要である。
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