本研究は、親の介護に直面する労働者に焦点をあて、職域および地域における親の介護に直面する労働者の包括的支援方策を検討することを目的とした。親介護経験を有する労働者、親介護労働者に関わる職域・地域の担当者・専門職者等を対象とした調査を実施し、医療、保健、介護等の制度に関する情報不足や資源を活用するうえでのコンフリクト、限られた時間のなかでの介護者として対応選択といった課題や、長期に及ぶ介護による蓄積・累積的な疲弊感等が示唆された。職域、地域での役割分担や連携を図り、重層的な支援体制の必要性が示された。
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