研究課題/領域番号 |
18K10605
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
榊原 文 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 講師 (60634467)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | インターネット依存 / PIU / 子どもの発育・発達 / 子どもの事故 / 齲歯 / メディア対策 / コホート研究 |
研究実績の概要 |
令和3年度は,平成28年4月~平成29年9月の1年半の間に松江市で妊娠届出をした母親とその子どものデータセットを構築することができた。具体的には,妊娠届出時,新生児訪問時,4か月・1歳6か月・3歳児健診時に母親に行ったネット依存を診断する質問票(YDQ)およびネット利用状況アンケートと,4か月・1歳6か月・3歳児健診時の子どもの発育・発達(体格・事故歴・齲歯・発達・メディア使用等)のデータをリンケージした縦断データである。令和4年度は,このデータを用いて,母親のネット依存と子どもの不慮の事故,齲歯,メディア利用との関連を明らかにする。 また,令和2年に,A市教育委員会がA市内の全小学校3年生,6年生および全中学校2年生の保護者を対象に行った無記名自記式アンケート結果の提供を受け,回答のあった4725名のデータを解析した。その結果,保護者のメディア使用が3時間以上の場合,保護者からみた子どものメディア使用が3時間以上の割合が有意に高かった。また,スマートフォンを子どもに個人所有させている者のうち,37.3%がフィルタリング設定していなかった。フィルタリング設定していない場合,保護者からみた子どものメディア使用が3時間以上になる割合が有意に高かった。家庭でのメディアルールを決めていない割合は8.3%であり,メディアルールがない場合,親から見た子どものメディア使用が3時間以上の割合が有意に高かった。この結果は,6th International Conference of Global Network of Public Health Nursingで発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
計画当初は平成28年度に妊娠届出をした者を対象に研究を行う予定であった。しかし,インターネット依存状態にある母親が少ないため,解析上必要となるデータ数を確保する必要があり,平成28年~平成29年9月の間に妊娠届出をした者に対象範囲を広げたため,データが揃うまでに時間を要することとなった。 さらに,新型コロナウイルス感染症の感染防止のため,松江市の乳幼児健診が一時中止された期間があり,データ収集に数か月の遅れが生じた。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年4月~平成29年9月に妊娠届出をした母親のネット依存調査とその子どもの出生から3歳児健診までの縦断データを基に,母親のネット依存と子どもの不慮の事故,齲歯,メディア利用との関連を明らかにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
計画当初は平成28年度に妊娠届出をした者を対象に研究を行う予定であった。しかし,インターネット依存状態にある母親が少ないため,解析上必要となるデータ数を確保する必要があり,平成28年~平成29年9月の間に妊娠届出をした者に対象範囲を広げたため,データが揃うまでに時間を要することとなった。さらに,新型コロナウイルス感染症の感染防止のため,松江市の乳幼児健診が一時中止された期間があり,データ収集に数か月の遅れが生じた。 令和4年度の研究費は,母親のネット依存と子どもの不慮の事故,齲歯,メディア利用との関連について解析した結果を,学会発表(参加費)や論文発表(翻訳・校正・掲載)する際に使用する。
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