研究課題/領域番号 |
18K10606
|
研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
守田 孝恵 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (00321860)
|
研究分担者 |
越田 美穂子 富山県立大学, 看護学部, 教授 (30346639)
山田 小織 福岡女学院看護大学, 看護学部, 准教授 (60369080)
磯村 聰子 山口大学, 大学院医学系研究科, 講師 (80437623)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | 精神担当保健師 / 保健所 / 困難事例 / OJT / 業務時間 / タイムスタディ |
研究実績の概要 |
目的:保健所の精神担当保健師の日常業務上の相談・確認・情報共有の実態を明らかにすることである。 方法:タイムスタディ他計式連続観察法とした。調査対象はA保健所の精神難病担当保健師で、所属の研究倫理審査委員会の承認を得て実施した。 結果:3日間の業務総時間は1,575分であった。業務の種類別時間量は「保健師同士(所内)の相談、確認、情報共有」が495分、31.4%)、「多職種との相談、確認、情報共有」が150分(9.5%)、「住民との関わり」が191分(12.1%)、「事業活動の直接的準備」が5分(0.3%)、「情報収集」が620分(39.4%)、「移動」が6分(0.4%)、「指示」が17分(1.1%)であった。事例対応には475分(30.2%)を費やしており、日常業務の3分の1以上を占めていた。分野別では、精神分野が370分(77.9%)、難病分野が72分(15.2%)、感染症分野が33分(6.9%)であった。全ての事例に関わる平均時間は21.6分であった。また、相談等のきっかけは、後輩保健師から事例対応に関する話を持ち掛けることが多く、複数の保健師で相談・確認・情報共有の時間が多くとられていた。総対応時間、相談・確認・情報共有に時間を費やしている困難事例は、自殺未遂による通報事例などハイリスクで複雑な事例であった。特に通報事例では、合計7人の保健師が分担してその事例へ関わっていた。困難事例の相談・確認・情報共有は7回に分けて行われており、合計時間は36分、1回あたりの平均時間は5.1分であった。 考察:保健師同士の相談・確認・情報共有の時間が10分に満たないことが明らかとなり、保健師同士や多職種で対応することで事例の問題解決に努められ、特に後輩保健師から相談・確認・情報共有のきっかけが作られており、OJTnituite は後輩保健師がきっかけを積極的に作る認識が重要と考えられた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
タイムスタディの協力者の確保が難しく、タイムスタディの例数が不足している。
|
今後の研究の推進方策 |
少ないタイムスタディであるが、先行研究による知見を踏まえれば、分析結果の妥当性は確保できるものと考え、精神担当保健師のOJTの方法の考察を進めることとする。
|
次年度使用額が生じた理由 |
タイムスタディの研究同意が得られた事例数が少なく、予定の調査が実施困難であったため。この未使用額については、令和2年度の研究費と合わせて調査および打ち合わせ等にかかる旅費と消耗品の購入に充てる。
|