研究課題/領域番号 |
18K10608
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
濱口 和之 大分大学, 医学部, 客員研究員 (60180931)
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研究分担者 |
脇 幸子 大分大学, 医学部, 教授 (10274747)
三重野 英子 大分大学, 医学部, 教授 (60209723)
小野 光美 大分大学, 医学部, 准教授 (20364052)
森 万純 愛媛県立医療技術大学, 保健科学部, 助教 (60533099)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | チーム医療 / 介護老人保健施設 / 糖尿病 / 糖尿病療養指導士 / 老年看護 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、本研究代表者らが開発したWebシステム(老健用糖尿病チーム医療・介護Webシステム)を用いて、老健施設において糖尿病療養指導士(LCDE)の介入によりチーム医療を実践し、この看護・介護モデルの有効性を検証することである。 初年度(平成30年度)は、Webシステムを改良し、老健施設でのLCDE連携における各職種の関与について考察した。令和元年度はA老健施設においてタブレット端末を用いたWebシステムの利用説明会を実施し、老健スタッフの受入れ状況を調査した。令和2年度は、実際にWebシステムの運用を開始したがコロナ禍への対応に追われ、施設外からの糖尿病療養指導士の介入もできない状況であり、研究の実施を延期した。令和3年度に入ってもコロナ禍の状況は続き終息する気配がないため、施設外から糖尿病療養指導士がWebで参加し、施設の多職種とともにZoomでの事例検討合同カンファレンスを行った。セルフケアに課題を抱えた事例を対象とし、Webシステムを用いた多職種による療養支援の実態を、記載内容をもとにオンライン上で議論し、終了後にアンケート調査をするとともに、議論の内容を分析した。多職種はWebシステムの可視化機能により、専門に特徴的な支援領域に偏りながらも重複を示す部分もあり、全体として必要な支援をカバーしていた。また、Webシステムはコミュニケーションツールとして、臨場感のある生活の様子とその経時的変化を捉えることを介して、多職種間における支援の擦り合わせを促進し、あらたな支援方法の発見につながる機能を持つことが示唆された。 令和4年度も解析を進めながら、新たな合同カンファレンスの機会をうかがっていたが、コロナ禍の収束が見込めず、実施できずに終了となり、研究実績に進展はなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
令和元年度末より、A老健施設においてタブレット端末を用いたWebシステムの運用を開始した。令和2年度も運用を継続していたが、徐々にコロナ禍の影響が深刻化し、長期に渡り解決しないまま経過したため、本研究者らの老健施設へのサポート訪問がしづらい環境になった。また、外部からの糖尿病療養指導士の介入ができず、老健施設へのWebシステムによるケア介入は途中で中断した。そこで、糖尿病療養指導士のコロナ禍に対する影響に関する意識調査、院内のチーム医療、高齢糖尿病患者の糖尿病治療およびケアについての研究発表を行った。当初の予定から遅れ、研究期間を令和3年度に延長し、老健施設内での多職種によるWebシステム運用を再開し、オンライン上で外部の糖尿病療養指導士を含めた合同カンファレンスを行うことでケア介入とした。令和3年度から令和4年度にかけて結果をまとめる予定であったが、コロナ禍が終息に至らなかったことや共同研究者とのカンファレンスもできない状況があり、令和5年度まで延長することになった。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度から始まった研究であるが、計画の第1段階(チーム医療・介護の企画)を終え、第2段階(複数の老健施設において、糖尿病チーム医療・介護を実践する)の途中でコロナ禍により研究が止まった状況となった。令和2年度が最終年度であったが、令和3年度まで延長し、糖尿病療養指導士による介入方法をオンラインで行うといった新たな方法に変更し実施した。結果の解析を進めていたが、令和3~4年度内に終了することが出来なかったため令和5年度に繰り越した。令和5年度はこれまでの成果を解析し、まとめて発表することを主眼とし、最終年度とする。
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次年度使用額が生じた理由 |
令和4年度はコロナ禍が収束しておらず、本来の研究課題がうまく進まず、また、共同研究者間で集まって研究成果をまとめることもできなかったため、次年度使用額が生じた。 令和5年度の使用計画としては、老健施設スタッフや糖尿病療養指導士らによるWeb会議の謝金、成果の発表や情報を仕入れるための学会等への参加費などになる予定である。
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