研究課題/領域番号 |
18K10614
|
研究機関 | 香川県立保健医療大学 |
研究代表者 |
片山 陽子 香川県立保健医療大学, 保健医療学部, 教授 (30403778)
|
研究分担者 |
長江 弘子 東京女子医科大学, 看護学部, 教授 (10265770)
酒井 昌子 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 教授 (60236982)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | 訪問看護師 / エンドオブライフ期 / ターニングポイント / 実践の可視化 / インタビュー調査 |
研究実績の概要 |
本研究の目標は、高齢者のエンド・オブ・ライフ期(以下、EOL期)における訪問看護師のターニングポイントの判断と実践の可視化、および実践のアウトカムである自分らし い人生の全うというQOLへの効果を検証することである。まず、初年度である今年度はSTEP1『EOL期のターニングポイントの判断の可視化』を目的として、1)EOLケアの実践経験を有する認定看護師6名を対象にターニングポイントをどのように判断しているかについてインタビュー調査を実施し、質的記述的方法で分析した。また、2)『価値観を尊重することについての明確化』を目的として概念分析を実施した。 1)インタビューについては現時点においては一次分析の結果であるが、EOL期、特に終末期にある事例におけるターニングポイントについてその特徴が明確となった。看護師はターニングポイントの判断として、予後予測に基づいてトラジェクトリーを描き病態変化のポイントを見極めていた。しかしながら生物体としての変化のポイントが生じる前に、人生の物語りとしてのターニングポイントが生じていたことに着眼していた。そのポイントを判断するためには看護師が事例にとっての価値観を理解し、人生の物語りを共有していたことが必要であることが明確となった。 2)『価値観を尊重することについての明確化』概念分析については、国内文献86文献を対象に分析中である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
インタビュー調査は、当初計画では専門看護師と認定看護師に10名を対象に実施予定であり、現在、継続比較分析を実施しているところである。また、概念分析は分析途中であり、計画に比較してやや進捗としては遅れている状況である。
|
今後の研究の推進方策 |
今後は文献検討を進めると共に、インタビュー調査について継続比較分析を進めながら対象人数を確保しながら進める。それらの結果を基に量的調査実施の準備として研究枠組みを設定する。研究推進のため、EOLケアの臨床実践の専門家及び研究方法に関するスーパーバイズを受けながら研究協力者と分担者で計画調整しながら計画的に推進する予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
今年度、当初計画よりインタビュー調査の実施が遅延したことから、それに係る旅費等の支出分が予算より減じた。次年度は、次年度計画内容に加え今年度予定していたインタビュー調査も実施することから翌年度分と当該年度の次年度使用額として併せて計上し計画的に進めたいと考える。
|