研究課題
病院、薬局、介護施設など8つの医療・福祉施設を有するA法人の事務・医療職を対象に、診療・療養場面での職員の難聴者への対応の質向上を目指し、加齢性難聴の理解と聴覚障害をもつ高齢者に対する対応方法に関する研修会を開催した。講師は、研究代表者、研究分担者、研究協力者が努め、2022年7月14日~8月18日の期間、4回1シリーズで実施した。第1回は、テーマ「加齢性難聴の理解」とし、研究代表者がハイブリッド(対面+オンラインZoom+動画配信)方式で実施し、動画の再生回数は134回であった。第2回「難聴者への支援制度と補聴器」はオンラインと動画配信により実施し、動画再生回数は79回であった。しかし、7月末新型コロナウイルス感染症の第7波により病院および施設内でクラスターが発生し、第3回「医療現場での難聴患者への対応①」は日程を変更し研究分担者が実施し、最終回8月18日、研究代表者が第4回「医療現場での難聴患者への対応②」を実施した。クラスターの終息に時間を要し、動画配信期間を延長するなどの対応を行ったが、第4回の動画再生は55回であった。研究開始前に事前アンケートをwebで行い、49名から回答を得たが、新型コロナウイルス感染症のクラスター発生による職員の欠勤などが続き、第2回研修会終了後のアンケートは4名、第3回4名、第4回終了後の事後アンケートは14名の回答であった。このため、研修会前後の比較を統計学的に確認することはできなかった。しかし、加齢性難聴の対応チェックリストとして22項目を見出し、研修各回の終了後、この項目について実践を試みて頂いた結果、アンケートの自由記述欄には、対応の変化を感じたとの回答が得られた。さらに、研修会に対する満足感は高く、研修会の内容は適切なものであったと考えられる。他に、少人数の地域高齢者に対し、補聴器を用いた加齢性難聴の学習会を試みた。
すべて 2022
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応用老年学
巻: 16巻 ページ: 119-127