研究課題/領域番号 |
18K10619
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
伊藤 隆子 順天堂大学, 医療看護学部, 教授 (10451741)
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研究分担者 |
雨宮 有子 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 准教授 (30279624)
石垣 和子 石川県立看護大学, 看護学部, 教授 (80073089)
吉田 千文 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 教授 (80258988) [辞退]
島村 敦子 東邦大学, 健康科学部, 講師 (20583868)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 在宅療養 / ケアマネジメント / モラルディストレス / 対処 / 支援プログラム |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、日本の在宅療養の場でケアマネジメントを実践する多様な専門職が経験するモラルディストレス(MD)など倫理的課題にかかわる心理的負担感と対処方法を明確にし、全国のケアマネジメントを実践する専門職の実態と支援ニーズを調査し、ケアマネジメントに関わる専門職のスキルアップを目指した支援プログラムを開発し、その有効性を検討することであった。 1年目であった昨年度は、前年からの研究課題である「ケアマネジャー(以下CM)が経験するモラルディストレス(以下MD)および倫理的ビリーフの解明と支援プログラムの開発」を1年延長したことにより、本研究の進捗は遅れていた。 2年目である今年度は、研究会を3回開催し、前年度の研究成果を、IFNC14にて発表するべく準備をした。また、研究対象は、地域包括支援センターの三職種(保健師、社会福祉士、主任ケアマネジャー)とし、研究の問いは「地域包括ケアシステムを担うチームメンバー(職種ごと)の好む対処スタイルに違いはあるか」とすることとした。 まず文献検討として、医中誌にて“倫理” アンド“地域包括支援センター”(会議録除く)で37件の論文を選出しレビューをした。在宅療養の場において倫理的課題が発生しやすいのは、終末期、虐待関連であり、医療職と福祉職の職業倫理に差があることが示唆され、引き続き文献検討を進めることとした。 さらに、研究会では、1)対処、対処方法、対処行動、対処スタイルとあるが心理的負担感への対処に焦点をあてるのか。2)MDの発生には裁量権があるかないかが大きく影響するのではないか。3)異業種間の基本には職業文化としての対処スタイル(認知と行為)が存在し、それはさらにおかれた環境に影響を受けるのではないか。4)MDがどのように発生するのではなくなぜ(Why)感じるのかを掘り下げると良いのではないか。などの課題が提示され協議をした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
1年目であった昨年度は、前年からの研究課題である「ケアマネジャー(以下CM)が経験するモラルディストレス(以下MD)および倫理的ビリーフの解明と支援プログラムの開発」を1年延長したことにより、本研究の進捗は遅れていた。 2年目である本年度は、研究会を3回開いたが、9月および10月の台風により被害を受けた研究メンバーがおり、また2月からの新型コロナウィルス感染症の対応のため、文献検討に留まった。
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今後の研究の推進方策 |
「対処」という文言の理論的枠組みについて、モラルディストレスのような感情への対処なのか、専門的行為の抑制に対する対処なのかという議論になり、合意を得る必要があることがわかった。「日本の在宅療養の場でケアマネジメントを実践する専門職は彼らの経験するMDにどのように対処しているのかを解明する」ための研究対象者は、介護保険制度上にてケアマネジメントを実施している者とし、倫理的課題に対して優れた良い対処を実施していると周りが認める者とし、自尊心の低下(感情面)や回避行動(行動面)を引き起こさない理由についてインタビューを行うという案が提示された。 さらに、在宅療養の場においてケアマネジメントを実践する専門職を対象に、MDなど倫理的課題にかかわる心理的負担感および対処方法の聞き取り調査を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究の進捗が遅れているため、インタビュー調査まで至らなかったため。
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