研究課題/領域番号 |
18K10621
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
三橋 祐子 東海大学, 医学部, 講師 (10580813)
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研究分担者 |
錦戸 典子 東海大学, 医学部, 教授 (10172644)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 中小企業 / 地域・職域連携 |
研究実績の概要 |
<各種調査の実施> ①質問紙調査の実施:2019年度全国安全週間平塚地区促進大会に参加し、中小企業の事業主・安全衛生管理者等を対象とした質問紙調査を実施した。258名の参加者のうち、141名について回収できた。そのうち、300名以上の事業所が49名、299名未満の事業所が92名であった。299名未満の事業所に所属する者で地域保健との連携経験がある者は9名(9.8%)と非常に少なく、その連携対象は保健所や市町村の保健師が多かった(66.7%)。これらの結果から、中小企業においては、まだ地域保健との連携が実施できておらず、専門職等の人的資源や各種保健事業への参加など地域資源の有効活用ができていない現状が明らかになった。 ②個別インタビューの実施:質問紙調査において承諾が得られた者および、機縁法により、計12名の中小企業の事業主・安全衛生管理者等を対象に個別インタビューを実施した。これらの対象者は、地域保健との連携を積極的に実施している先進者たちであった。よって、従業員の健康づくりを推進することを目的として、自治体保健師を招いて健康教育を実施したり、介護や育児に関する個別相談においてうまく地域資源を活用していることが分かった。
<今後の研究の展開> 今後は、①質問紙調査と②個別インタビューの結果について分析を進める。その後、それらの研究結果を基にして、中小企業の事業主・安全衛生管理者等が活用できる地域保健との連携ツールを開発する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2019年度に実施を予定していた2つの調査(①質問紙調査②個別インタビュー調査)について計画通りに実施することができたため。
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今後の研究の推進方策 |
2019年度までの期間で計画通りに調査を実施できたため、2020年度は得られたデータを分析し、有効な連携ツールを開発するのみである。新型コロナウィルス感染拡大の影響を受け、授業等におけるイレギュラーな対応が求められている。それらの対応が終了次第、研究に費やす時間を確保したい。地域保健との連携ツールの開発においては、平塚保健福祉事務所秦野センターで開催している地域・職域連携ネットワークのメンバー(自治体保健師、中小企業の安全衛生担当者等、産業保健推進センター担当者、労働基準監督署課長等)からの意見も取り入れて検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年度において、個別インタビュー調査12件分のテープ起こし費用、およびデータ分析に伴うデータの整理等における謝金が必要である。また、地域保健との連携ツールを開発するにあたって、助言を得たり検討する場の開催における費用(謝礼および、会場費等)、連携ツールの印刷費用として使用する計画である。
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