研究課題/領域番号 |
18K10627
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研究機関 | 日本赤十字豊田看護大学 |
研究代表者 |
大谷 喜美江 日本赤十字豊田看護大学, 看護学部, 准教授 (30507843)
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研究分担者 |
長谷川 喜代美 日本赤十字豊田看護大学, 看護学部, 教授 (90313949)
佐藤 真由美 国際医療福祉大学, 大学院, 教授 (40375936)
廣田 直美 日本赤十字豊田看護大学, 看護学部, 助教 (90793406)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 医療機関保健師 / 役割 / インタビュー調査 |
研究実績の概要 |
平成31(令和元)年度は、小研究1「地域包括ケア推進に向けた医療機関保健師の活動の実態と期待される役割」を実施した。研究目的は、医療機関保健師の活動実態の把握である。方法は、医療機関保健師(以下保健師)及びその管理監督者各5名程度へのインタビュー調査とした。必要数を募るため令和2年度当初まで研究を継続し、最終的に保健師6名、管理監督者5名の協力を得た。今後は順次分析を進め、学会等で公表する。 結果から、保健師が患者のインテーク面接や疾病教育、医療通訳の調整、連携会議の企画運営なども担うことが新たに明らかとなった。また管理監督者調査の質的帰納的分析では、保健師の役割は『医療機関利用者本人を支援する』、『医療機関に所属する保健師として地域に貢献する』に大別された。前者には【実質的な保健・医療の担い手となり、対象に必要な保健指導を展開する】、【安心した地域生活への移行を支えるケースマネジメント】が含まれた。後者には、【所属医療機関の事業継続】、【所属医療機関の地域貢献を担う保健師活動の展開】、【地域包括ケアシステム構築を支える活動】が含まれた。このうち【地域包括ケアシステム構築を支える活動】には<所属医療機関が担う公的役割>、<地域の専門職育成>、<対象がもつ力を引き出す健康教育の展開>、<医療機関と地域をつなぐ橋渡し>、<個と地域のニーズを連動させて活動する>、<関係機関との連携・協働>、<地域のネットワーク構築>が含まれた。また管理監督者は、保健師の活動背景に【社会的な背景】、【地域の実態と連携上の課題】、【健康課題を抱えて生活する対象を支える努力】、【医療機関という組織の中で行う保健活動】があると認識していた。 地域包括ケア推進に向け、医療機関保健師も一翼を担うことが明らかとなった。次年度は、保健師基礎教育機関における医療機関保健師関連の教育実態を量的調査にて検討する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成31(令和元)年度は当初、保健師基礎教育機関への量的調査を予定していた。しかし、インタビュー調査の協力者確保に時間がかかり、量的調査の研究計画立案にまで至らなかった。一方で平成31(令和元)年度に実施したインタビュー調査の進捗は順調であり、今後は分析と結果の公表のみであること、インタビュー調査から医療機関側が感じる課題が具体化されており、量的調査に向けた示唆は既に得られていることから、区分を(3)とした。
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今後の研究の推進方策 |
量的調査の準備となるインタビュー調査は済んでいるため、今後は量的調査に向けた研究計画書、調査用紙を作成し研究倫理審査を受ける。研究倫理審査の承認を経たのちに速やかに調査を開始する。 量的調査研究の対象は、日本全国における医療機関保健師に関連する教育実態を把握すること、会員校がホームページ上で公表されており保健師基礎教育機関の所在地を確認する際の利便性が高いことから、全国保健師教育機関協議会の会員校とする。 なお研究に際し全国保健師教育機関協議会の会員校の所在情報を利用することは、当該事務局より既に了承を得ている。倫理審査の承認を得た後に、スムーズに研究が進められるよう準備を整えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していた量的調査研究の実施ができなかったため、次年度使用額が生じた。次年度は、量的調査および学会、論文等による成果発表などに使用する予定である。
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