研究課題/領域番号 |
18K10631
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
原田 春美 福岡大学, 医学部, 教授 (70335652)
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研究分担者 |
小西 美智子 関西福祉大学, 看護学部, 教授 (20161961)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 子育て支援 / 父親 / 母親 / 面接調査 / 質的帰納的分析 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、親意識の構造やその子育て中の変化並びに親意識を高め、維持することや夫(父親)の子育て参加と子育てにおける夫婦の協働に影響する要因を明らかにし、支援方法を検討することである。データは、妊娠が分かった時点では子育てに積極的な姿勢を有していたと考えられる父親と母親を一組として、各々に1時間程度個別に半構成面接法で、インタビューガイドに沿って面接して収集した。属性調査票と共に、時間軸を含む経験全体を把握するきっかけを作るライフライン図記入を事前に依頼し、これまでの子育ての振り返りを容易にできるように工夫した。2018年度は、予定していた面接調査10組20名(父親と母親)のうち、5組10名の面接調査を修了した。面接終了時には、Snow Ball方式のデータ収集のため、同様の条件で面接協力していただける対象者の紹介を依頼した。データ収集と並行して、データ分析を行った。データ分析では、面接調査結果をModified Grounded Theory Approach(M-GTA)を用い、親意識の構造と変化、子育て参加や子育てにおける夫婦の協働の要因とその構造等を明らかにする。具体的には、録音データから逐語録を作成し、その逐語録について、分析テーマを親意識や子育て参加や子育てにおける夫婦の協働とし、分析焦点者を父親あるいは母親として、詳細にデータを解釈しながら継続比較分析を行っている。分析には、M-GTA独自の概念名・定義・バリエーション・理論的メモ欄から構成される分析ワークシートを用い、概念を分析の最小単位として抽出している。概念を類似性に従ってまとめ、カテゴリ、中核カテゴリというように抽象化していく。データの解釈から概念を生成するときには、類似例や対極例を検討するだけでなく、同時に、その概念と関係するであろう未生成の他の概念をも検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定の10組には達していないが、面接は順調に実施できている。面接においては、どの対象者も協力的で、面接終了後は「子育てを振り返ることができて良かった」「子育てを考える機会となった」と、面接を肯定的に捉えていた。
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今後の研究の推進方策 |
今後、引き続き面接を行い、データを収集する。また、並行してMGTAによる質的帰納的分析を行う。また、分析が一段落したところで、国際学会での発表の準備をする。さらに、調査票調査の協力依頼を行いながら、分析が終了したら分析結果や文献検討をもとに調査票を作成する等、調査票調査の準備を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定の10組ではなく、5組の面接であった。また、広島市内で面接予定であったが、福岡県内で面接を行った事例もあった。情報収集のための研究会には科研費で参加したものの、学会は大学の出張旅費で賄った。これらのことから、旅費が予定よりも少なかった。テープ起こしは、自分で行ったため、その費用もかからず、人件費が少なかった。研究用にパソコンや統計ソフトを購入予定であったが、2018年度はひとまず手持ちのパソコンを研究専用として使用し、購入は2019年度とすることにしたため、物品費が予定よりも少なかった。
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