研究課題/領域番号 |
18K10636
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
高橋 宏子 信州大学, 学術研究院保健学系, 准教授 (80195859)
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研究分担者 |
中村 昭則 信州大学, 医学部, 特任教授 (10303471)
日根野 晃代 信州大学, 医学部附属病院, 講師(特定雇用) (20596366)
奥野 ひろみ 信州大学, 学術研究院保健学系, 教授 (60305498)
五十嵐 久人 信州大学, 学術研究院保健学系, 准教授 (90381079)
山崎 明美 信州大学, 学術研究院保健学系, 講師 (60299881)
石田 史織 信州大学, 学術研究院保健学系, 助教 (20710065)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 神経難病 / ICT活用 / 情報共有システム / チームケア / 在宅療養 |
研究実績の概要 |
研究1年目である平成30年度は、本研究テーマに関連している活動や実践者からの情報収集を行い、研究評価内容の再検討等の研究実施に向けて準備に努めた。 モバイル電子端末などICTを活用した取り組みは様々な分野に拡大しているが、研究者が所属する呼吸ケア研究会でも在宅酸素療法利用者と支援者間でのクラウドシステムを使った多職種連携情報共有システムが研究的に開始となった。支援者間の連携強化と支援者の観察力のスキルアップに効果的であったという報告から、その取り組みの具体的な内容、取り組みによるアウトカムの視点、例えば入院回数、医療費、増悪の回数など数値や多職種対象のアンケート等のエビデンスの視点についての情報を得ることが出来、本研究への応用やより効果的な取り組みに繋がるように再検討ができた。 また長野県では在宅難病患者コミュニケーション支援事業として保健所等の単位で研修会が行われており、さらに作業療法士などのコミュニケーション支援に関する専門的な知識や技術を持ち、地域で適切な指導者となりうる人材を育成することを目的とした専門研修会も開催されている。7月に行われたその専門研修会に参加し、視線入力等の新しい機器や工夫等の情報収集に努めた。また研修会後にそのメンバーとの間で、クラウドシステムを活用したメーリングリストを作成し、現場での困りごと等を発信し合ったり、支援に関する工夫や助言等のやりとりなどを知ることが出来、電子チームケアとは異なる、専門職による支援体制が整った。 本研究分担者が中心になって運用していた電子チームケアの対象者が病状経過により本研究対象となることが難しい状況となった。そこで他の電子チームケアシステムを運用している医師への研究協力依頼を行い、了解が得られたことから、研究分担者の追加申請を行った。同時に、研究の評価内容を再検討し、研究者が所属する医倫理委員会に再申請を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
平成30年度の研究実施計画は、平成26年度~平成29年度科学研究費助成事業(基盤研究C)「神経難病療養者に対するモバイル電子端末を用いた在宅チームケアに関する研究」において開発した、神経難病療養者のコミュニケーションに関する情報収集項目を入れ込んだソフトを、既に研究分担者が開発しているモバイル電子端末による電子チームケアシステムの中に組み込み、チーム間で運用してもらい、その効果を事前、事後1か月、3か月、6か月、1年後にアンケート調査等を通して判定することを予定していた。しかし、既存の電子チームケアシステムで対象となっていた療養者はその病気の経過により、研究対象とすることが難しい状況となってしまい、研究を実施に至らなかった。そこで別の電子チームケアシステムを中心となって運用している医師に、研究目的、内容を説明し、研究協力をいただくことの了解が得られたことから、本研究の研究分担者として追加申請し、承認された。それと同時に、本研究を推進するために研究内容を再検討し、研究者が所属する医倫理委員会の審査を受けるために申請を行った。医倫理委員会は5月上旬予定である。その結果をもって、研究を開始するように準備を進めているところである。
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今後の研究の推進方策 |
研究内容を再検討し、研究者が所属する医倫理委員会の審査を受けるために申請を行ったところだが、医倫理委員会の承認を得たら、研究分担者と共に、新たな電子チームケアを対象とした研究を実践する予定である。平成31年度の研究実施計画は、平成26年度~平成29年度科学研究費助成事業(基盤研究C)「神経難病療養者に対するモバイル電子端末を用いた在宅チームケアに関する研究」において開発した、神経難病療養者のコミュニケーションに関する情報収集項目を入れ込んだソフトを、既に研究分担者が開発しているモバイル電子端末による電子チームケアシステムの中に組み込み、チーム間で運用してもらい、その効果を事前、事後1か月、3か月、6か月、1年後にアンケート調査等を通して判定する予定である。研究対象となる医療専門職に対しては、本研究の主旨・目的、協力依頼や具体的な内容、倫理的な配慮事項等を説明し、同意書をいただいた上で開始する。また療養者および家族に対しても本研究の主旨・目的、協力依頼や具体的な内容、倫理的な配慮事項等を説明し、同意書をいただいた上で開始する。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由)当初の初年度の計画では、平成26年度‐平成29年度科学研究費助成事業(基盤C)「神経難病療養者に対するモバイル電子端末を用いた在宅チームケアに関する研究」において開発した『都立神経病院コミュニケーションカルテ【改訂版】』を、既存の電子チームケアシステムに入れ込み運用し、精度を高めるために修正する計画であった。そのためのモバイル端末等の物品費、研究遂行する上での旅費、人件費、その他として通信費等を計上していた。しかし計画していた療養者は病気の経過等により研究対象とすることが難しい状況となってしまい、計画を見直す必要に至った。そこで研究計画の再検討・再構築を行うために学会や研究会等に参加し情報収集に努めた。そのための参加費や旅費、文献代、さらにPC、プリンタ、インクおよびipadの通信費が生じた。 (使用計画)平成31年度は、研究対象として新しい電子チームを加え、再構築した研究計画に沿って実施する予定である。そのため、研究協力の説明・依頼をするにあたっての旅費、ipad購入するための物品費、また運用するための通信費、専門職等との意見交換や情報収集に伴う謝礼、また研究の事前調査および運用後のアンケート調査にかかる費用の計上を予定している。また最新のコミュニケーション機器の動向を知り、本研究に活かせるよう研修会や学会等の参加を予定しているため、それに必要な費用の計上も予定している。
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