研究課題/領域番号 |
18K10637
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研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
阿部 恵子 愛知医科大学, 看護学部, 教授 (00444274)
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研究分担者 |
後藤 道子 三重大学, 医学系研究科, 助教 (10608946)
伴 信太郎 愛知医科大学, 医学部, 特命教授 (40218673)
半谷 眞七子 名城大学, 薬学部, 准教授 (40298568)
出原 弥和 愛知医科大学, 看護学部, 准教授 (80320985) [辞退]
山中 真 愛知医科大学, 看護学部, 准教授 (30507504)
黒澤 昌洋 愛知医科大学, 看護学部, 講師 (00586068)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 高齢者 / コミュニケーション / 模擬患者 / オンライン授業 / ビデオ教材 |
研究実績の概要 |
新型コロナウィルス感染拡大のため、高齢者SP参加型教育は中止となった。1年生を対象の援助的関係論の授業が全てオンライン授業となったためのこれまで高齢SPに協力を得て実施していた対面によるコミュニケーション演習ができなくなった。一方で、オンライン授業でできるコミュニケーション方法として、ビデオ教材を作成した。 外来で診察を待っている患者に話を伺うという場面設定で、「改善が必要な面接」と「良い面接」の2本のビデオを作成した。前者では、観察シートに言語と非言語コミュニケーションのメッセージを記入し、患者役はどう感じたかを記入してもらった。その内容を全体で振り返り、改善するためのポイントを抽出した。次に、良い面接を視聴した後、良い面接となった要因を分析的に検討した。この2つの看護面接場面を分析することで、質問の仕方、コミュニケーションの取り方により、患者から得られる情報量の違い、感情の違いなどの気づきが得られていた。 次の2コマでは、オンライン上ではあるが、学生は設定されたシナリオをもとに患者を演じ、看護師役は、情報収集を行う5分程度の看護面接を行った。入学後と同級生と話す経験がなく、学生同士はまだ初対面という学生もあり、適度な緊張した雰囲気の中で面接が行われた。患者役をしたことで、患者の視点を知り、感じ、学びが得られていた。 本実習の結果を、患者を一人の生活者と捉え、「傾聴」「共感」「受容」の基本的コミュニケーションスキルの合計点として量的分析を行った。オンラインと対面の授業方法の違いで有意な差はなかった。また、対面授業からの学生の気づきは、インタビューにて、データ集取を行い、現在質的に分析している。3グループのインタビュー内容を3名の質的分析者とすり合わせを行いながら解析している。今年度は看護OSCEを実施予定にしていたが、新型コロナウィルス感染拡大防止のため実施を見合わせている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年度1年学年次生を対象に、コミュニケーション教育の効果についてインタビュー調査の途中で、新型コロナウィルス感染拡大防止のため外出自粛制限となったため、3グループで終了とし、分析を行った。一方、緊急事態宣言発出により、入校禁止措置が取られたため、令和2年どのコミュニケーション教育は高齢SP参加型教育が中止となり、急遽教育方略を変更した。オンライン授業で効果的に学べるビデオ教材の作成を行い、授業ではシナリオを用いた学生同士のロールプレイ演習に変更し、対応した。看護OSCEについては実施の目処が立たず中止とした。
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今後の研究の推進方策 |
高齢SP参加型教育の学生インタビューの質的分析結果を看護系雑誌に投稿する予定である。また、オンライン授業と対面授業の教育効果の比較研究を現在分析しており、年内の看護系雑誌への投稿を目指している。新型コロナウィルス感染の収束後、高齢者の在宅ケアの2から3題の事例で看護OSCEを実施する予定であるが、多人数での実施は難しいと考えられるので、10名程度の学生をリクルートして、トライアルとして実施する。または、実施不可能の状態であれば課題の蓄積を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
模擬患者教育者学会、医学教育学会はオンライン学会開催であるが参加予定である。旅費として計上されていた費用は、逐語録作成のための費用、また、質的分析用及び研究取りまとめに頻用する目に優しいデスクトップ型PCの購入, オンラインプラットホーム使用経費に充てる。
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