研究課題/領域番号 |
18K10640
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研究機関 | 宮城大学 |
研究代表者 |
松永 早苗 宮城大学, 看護学群(部), 講師 (30614581)
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研究分担者 |
石原 美和 宮城大学, 看護学群(部), 教授 (10803976)
押谷 仁 東北大学, 医学系研究科, 教授 (80419994)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 感染症パンデミック / 国際援助 / 看護職 / 教育プログラム |
研究実績の概要 |
国際社会における新興・再興感染症の流行や薬剤多剤耐性菌が問題となっており、感染症対策への社会的な関心は高まっている。特に多くの命を犠牲とする感染症パンデミック時に、適切な感染対策を実施できる人材の育成は、国際援助において急務の課題である。 本研究の課題は、「感染症パンデミック発生時に国際援助を担う看護職の教育プログラム開発」である。2018年度は、実際に感染症パンデミック時に国際援助を担った経験を有する医療職にインタビュー調査を行い、感染症対策チームの調整役を担う看護師に必要となる能力を明らかにした。感染症パンデミック時に国際援助を担った経験を有する医療職からのインタビューは非常に貴重であり、現在実施されている教育プログラムに付加していくべき具体的な内容を聴取することができた。 研究の第2段階として、研究第1段階で明らかになった能力を基に、「感染症パンデミック発生時に国際援助を担う看護師に必要となる教育プログラムを作成」する。作成した教育プログラムは、感染症パンデミック発生時に専門職を派遣する団体の協力を得て、教育を担う専門家へインタビュー調査を行い教育プログラムを開発する。 研究の第3段階として、開発したプログラムを実際に感染症パンデミック発生時に国際援助を担う看護職へ一部実践し、プログラムの追加や修正を行う。 本研究結果は、感染症を専門とする看護師に、国際社会で適応できる教育を付加することで、国内外を問わずに感染対策を実践できる人材を育成することができる。育成した人材は、医療先進国として国際社会への貢献となる。また国内で発生しうる新興・再興感染症の対策を担うことができ、国民へ質の高い感染対策を提供することができる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在、研究第1段階である感染症パンデミック時に国際援助を担った経験を有する医療職へインタビュー調査を実施し、「感染症パンデミック時に国際援助を担う看護職に求められる能力」を抽出できた。この結果から、過去の経験に基づく具体的な教育プログラム案を作成する。 研究第2段階として、感染症パンデミック時に国際援助を担う看護職に教育を実施している機関の協力を得て、教育を担当している専門家に教育プログラム案に対するグループインタビューを行う。プログラムの実用化に向けて教育プログラムを開発する。 研究第3段階としては、開発した教育プログラムの一部を、実際に感染症パンデミック時に国際援助を担う看護職へ実施し、プログラム一部の評価を行う。 2019年度は、研究第2段階、第3回を進める予定である。以上の理由から、研究はおおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、研究第1段階の「感染症パンデミック時に国際援助を担う看護職に求められる能力」から、「過去の経験に基づく具体的な教育プログラム案」を作成する。研究第2段階として、教育を担当している専門家に教育プログラム案に対するグループインタビューを行い、プログラムの実用化に向けて教育プログラムを開発する。研究第3段階としては、開発した教育プログラムの一部を、実際に感染症パンデミック時に国際援助を担う看護職を対象に実践し、評価する。 なお、研究第1段階は、関連する学会にて発表したのちに、論文として投稿する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2018年度に研究第1段階をまとめ国外学会へ発表予定であったが、2019年度に開催される学会での発表での発表となった。そのため、渡航費用として確保していた使用金額を繰り越す。2019年度の使用計画は、繰り越し金を国外学会での発表費用とする。
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