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2021 年度 実施状況報告書

大規模災害時の健康支援に対する自治体保健部門の受援体制モデルの構築

研究課題

研究課題/領域番号 18K10641
研究機関日本赤十字秋田看護大学

研究代表者

佐々木 久美子  日本赤十字秋田看護大学, 看護学部看護学科, 教授 (80310150)

研究分担者 武田 道子  四国大学, 看護学部, 教授 (40552097)
吉田 俊子  聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 教授 (60325933)
塩野 悦子  宮城大学, 看護学群, 教授 (30216361)
勝沼 志保里  宮城大学, 看護学群, 講師 (10794323)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2023-03-31
キーワード大規模災害 / 受援 / 自治体
研究実績の概要

・本研究は、大規模災害時の被災自治体において健康支援を司る自治体保健部門と被災地外から支援を行った自治体保健部門の職員を対象に、その支援受入れが困難とする要因を明らかにし、効果的な受援体制を構築し、その効果を検証することを目的としている。
・上記目的を達成するために、2018年度は先行研究の検討、2019年度は、「受援側である自治体保健部門職員が支援側の支援の受入れが困難となった要因」を明らかにするために実態調査を実施する。その結果をもとに、2020年度は受援体制システムモデルの試案を作成し、2021年度は、研究協力自治体において、大規模災害時の支援者を受け入れる担当課、担当者が、その受援体制システムモデル試案に基づき実施、検証することとしていた。
・しかし、2019年1月から続いている新型コロナウイルス感染症感染拡大のため、聞き取り調査を依頼する自治体がその対応に追われており研究を進めることができない状況にありながらも、研究協力者への研究の趣旨等について説明を行ってきた。2020年度は研究協力者が3名となったが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大が広まりなかなか実施できなく、年度末に1件の聞き取りを実施するにとどまった。
・2021年度は前年度に内諾をいただいた研究協力者2件の調査を行うことができたが、予定していた件数には至らず十分な分析・検討を行うことができなかった。また、2021年度の研究協力者はいずれも東日本大震災の被災自治体であり、被災自治体に支援を行った支援側の自治体職員の調査は全く実施できていない状況にある。
・以上の理由から、受援体制システムモデルの試案の作成、検証ができない状況にあるため、科学研究費助成事業(学術研究助成基金助成金)補助事業期間延長願を提出し、次年度継続実施することの承認を得ている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

・2018年度は文献検討による支援の受入れ困難となる要因を明らかにすることであったが、文献数の不足のため十分な検討ができず、2019年度においても文献検討を実施し、そのうえで研究倫理審査を受け承認を得た。しかし、面接調査の準備を行っている中で、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により研究協力者への説明が実施できず、2020年度に実施予定とした。
・2020年度においても2019年度と同様に新型コロナウイルス感染症の勢いが収まらず、調査対象自治体もその対応に忙殺されており、研究協力のための説明すら依頼できない状況であった。そのような中、3か所の自治体から調査協力の内諾を得ることができ、その後、研究協力者の内諾を得るまでに至ったが、2020年度内に実施できたのは1件のみであった。
・2020年度に引き続き2021年度においては、新型コロナウイルス感染症が少し落ち就いた時期を見計らい、前年度に調査への内諾をいただいた協力者2名に調査を実施した。しかし、それ以外の調査は実施できなく受援体制システムモデル(案)を作成することができなく、本研究は大幅に遅れている。

今後の研究の推進方策

・2022年度は、2021年度に研究協力依頼し内諾を得ている自治体2か所、そして、大規模災害時に被災自治体に支援を行ってきた自治体で内諾を得ている自治体1か所について調査を実施する。また、これまで実施した被災自治体は東日本大震災に被災した自治体のみであり、当初予定していた、2018年7月西日本豪雨、2019年10月台風19号の被災自治体については今後研究協力依頼を行い、内諾を得る必要がある。また、被災自治体に支援を行った自治体についてもまったく調査を行っていなく、当初計画していた水害により被災した自治体2か所程度と、その支援を行った自治体についても3か所程度に研究協力を依頼し調査を実施していく。
・次年度においても、研究協力を得る自治体は新型コロナウイルス感染症対応で忙殺されていることが予測され、また、研究者自身も他県への移動について自粛を求められる可能性がある。本来であれば対面により面接を実施したいところではあるが、今後はオンラインでの面接調査についても前向きに検討していく。
・さらに、短期間での分析・検討を行う必要があるため、適宜、災害看護学、質的研究の専門家の協力を得て進めていきたいと考えている。

次年度使用額が生じた理由

・調査対象自治体を、宮城県、岩手県、新潟県、熊本県等の被災自治体から3か所程度とそれらの自治体に支援に入った自治体を各3か所程度と考えていた。しかし、現時点で調査が実施できたのは新型コロナウイルス感染症感染拡大のため3か所であり、予定していた調査が実施できなく、当初計画していた旅費、謝金の支出金額が少ない状況にある。
・聞き取りした調査のデータから逐語録を作成するためのアルバイトを雇用する予定でいたが、上記の理由により人件費・謝金の支出が少ない状況にある。
・次年度は被災自治体及び支援自治体に依頼し聞き取り調査、研究成果発表のための旅費が必要である。また、質的検討の信頼性を高めるため、災害看護学、質的研究に関する専門家の助言を得るための謝金、聞き取り内容から逐語録を作成するためのアルバイト料を支出する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 大規模災害時の被災自治体の受援の課題と受援を円滑にするための対策に関する文献検討2022

    • 著者名/発表者名
      武田道子、佐々木久美子
    • 雑誌名

      四国大学紀要自然科学編

      巻: 53 ページ: 1-5

    • オープンアクセス
  • [学会発表] 災害時健康を守る地域共助力尺度の開発2022

    • 著者名/発表者名
      武田道子、佐々木久美子
    • 学会等名
      日本看護研究学会 中国・四国地方会 第35回学術集会

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公開日: 2022-12-28  

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