研究課題/領域番号 |
18K10658
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研究機関 | 帝京科学大学 |
研究代表者 |
梅津 靖江 帝京科学大学, 医療科学部, 准教授 (50709087)
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研究分担者 |
衣川 さえ子 東京医療保健大学, 看護学部, 教授 (90538927)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 訪問看護 / 医療安全 / リスクマネジメント / 家族 / インシデント / アクシデント / 教育 |
研究実績の概要 |
訪問看護師は、一人であらゆる利用者の居宅の中で家族介護者と協力して様々なケアを実施している。訪問看護師による家族指導は実施されているが、家族介護者への安全確保のための知識やスキルを高める教育的関わりを行えば、リスクも軽減できると考える。今後、在宅療養者が増えることから、訪問看護におけるプログラム開発を行い、そのプログラムの有用性も検証することは、とても重要な課題である。初年度は、「日本国内の訪問看護における医療事故とリスクマネジメントの現状と医療安全に関する教育ニーズ」の研究を行った。その結果、訪問看護ステーションの管理者によると、家族介護上のインシデントとアクシデントは訪問看護師と同様な発生傾向で、服薬や爪切りなどに伴い発生しており、家族介護者が安全を確保する上での心理的負担感があることが確認できた。また、訪問看護師による家族指導は実施されているが、今後さらに、家族介護者への安全確保のための知識やスキルを高める教育的関わりを行う必要性が示唆された。これまで、訪問看護師が家族介護者への安全確保のための知識やスキルを高める教育的関わりに関する研究はほとんどない。そこで、2019年度は、長年の経験を積んだ熟練訪問看護師の家族介護者への安全確保のための優れた教育的関わりを、質的に明らかにすることを目的とし、熟練訪問看護師8名にインタビューを実施し質的記述的研究に取り組んだ。熟練訪問看護師の家族が療養者介護を安全に行うための教育的関わりは、信頼関係形成を土台に展開されており、起こりうるリスクの予測と説明、その対処、事故が起こった時の対処というリスクマネジメントを行っていた。これらの具体内容は家族が療養者介護を安全に行うために重要な内容であり、今後、家族への教育のプログラム開発が望まれた。最終年度は、訪問看護における家族介護者への医療安全プログラムの開発を行い、その有用性を検証する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度実施する予定であった全国の訪問看護ステーションの管理者へのWEB調査により、家族介護者への安全確保のための知識やスキルを高める教育的関わりを行う必要性が示唆された。そのため、熟練訪問看護師による質的研究により、訪問看護における家族介護者への医療安全プログラムの開発のための教育内容を抽出できた。第39回日本看護科学学会学術集会において、「家族の在宅介護による医療事故とリスクマネジメントの現状と課題 ―訪問看護ステーションでの質問紙調査―」というテーマで発表することができた。また、第12 回日本保健医療福祉連携教育学会学術集会において、「訪問看護師と病院看護師及び他職種との連携に起因して在宅療養者に起こった医療事故の実態というテーマで発表することができた。最終年度にはプログラムを精選し、その有用性について検証する準備が整えられた。
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今後の研究の推進方策 |
訪問看護における家族介護者への医療安全に関する教育プログラムの開発を行うため、熟練訪問看護師のインタビューによるその実践内容を質的に分析する。熟練訪問看護師の実践内容から、到達目標・内容・方法を検討し、訪問看護における家族介護者への医療安全に関する教育プログラムを開発する(2020年10月迄)。教育プログラムの妥当性の確認のため、訪問看護師にフォーカスインタビューを行う(2020年12月迄)。プログラムの実施と有用性を検証する(2021年1月迄)
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナの影響で旅費を使用できなかった。最終年度のプログラム開発とその効果に関する研究に使用する。
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