研究課題/領域番号 |
18K10662
|
研究機関 | 武庫川女子大学 |
研究代表者 |
和泉 京子 武庫川女子大学, 看護学部, 教授 (80285329)
|
研究分担者 |
川井 太加子 桃山学院大学, 社会学部, 教授 (70441102)
上野 昌江 関西医科大学, 看護学部, 教授 (70264827)
阿曽 洋子 武庫川女子大学, 看護学部, 教授 (80127175) [辞退]
岩佐 真也 武庫川女子大学, 看護学部, 准教授 (70405372) [辞退]
松井 菜摘 武庫川女子大学, 看護学部, 助教 (90806803)
内藤 義彦 武庫川女子大学, 生活環境学部, 教授 (90388801)
田野 晴子 武庫川女子大学, 看護学部, 助教 (70855022)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 家族介護者 / 生活習慣病予防 / 介護予防 / 家庭訪問 / アウトリーチ / 健康支援 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、①在宅介護を担う家族介護者の身体心理社会的健康状態、生活状況及び健康行動の実態を明らかにする、②明らかになった健康や生活の実態より家族介護者への生活習慣病予防・介護予防の健康支援を検討する、③健康や生活の実態に応じた生活習慣病予防・介護予防の健康支援をアウトリーチ活動である家庭訪問により行う、④家庭訪問にて実施した生活習慣の見直しや特定健診受診勧奨、医療受療勧奨の健康支援について、アウトカムを特定健診受診、医療機関受診、生活習慣病の発症の有無等として国保データベースシステム(以下、KDBシステム)にて評価する、⑤家族介護者への支援方略を検討する、である。 2019年度は、研究目的①を達成するため、2018年度(2019年1月から2月)に実施した要介護3、4、5認定者を主に介護している家族介護者への「家族介護者の身体心理社会的健康状態、健康行動の実態調査」の集計、分析を行った。分析対象者は、質問紙の返送のあった240人(有効回答率42.6%)であった。 その結果、家族介護者には健診受診や生活習慣病の必要な治療を受けていない者、うつ傾向、閉じこもり傾向等の者が少なからずいることが明らかになった。多くの時間を介護に費やし、自身の健康に目を向ける余裕がないことが推察された。また、世帯所得や介護時間により違いがみられることより、家族介護者の経済状況や介護の状況をふまえた支援の必要性が示唆された。 結果を受けて、研究目的②の「明らかになった健康や生活の実態より家族介護者への生活習慣病予防・介護予防の健康支援を検討する」として家族介護者への家庭訪問での健康支援プログラムの検討を行った。 また、家族介護者への健康支援の家庭訪問意向を調査するとともに調査結果を家族介護者および介護保険事業所に還元した。意向調査の途中段階において、家庭訪問には、約60名の承諾が得られている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度の研究内容である「家族介護者の身体心理社会的健康状態、健康行動の実態調査」を2018年度中に予定通り実施した。また、2年目の2019年度は、実態調査の集計、分析を行い、明らかになった結果を市や介護保険事業所、対象者に還元した。 また、結果をふまえ本研究の2つ目の目的「明らかになった健康や生活の実態より家族介護者への生活習慣病予防・介護予防の健康支援を検討する」を実施し、健康支援プログラムを作成した。 さらに、家族介護者への家庭訪問での「健康や生活についてのお伺いおよび健康支援」の意向調査を行い、途中経過の段階で約60名の承諾を得ており、次に続く介入研究への準備も整っている。
|
今後の研究の推進方策 |
2018年度の実態調査の結果を受け、2019年度は、予定通り、分析結果より、健康行動及び健診受診の関連要因を明らかにし、家族介護者への生活習慣病予防・介護予防の支援を検討し、健康支援プログラムを作成した。 その後、2020年度からは、研究計画に則り、「家族介護者への家庭訪問による生活状況に応じた生活習慣病・介護予防の健康支援とKDBシステムの活用による支援評価をふまえた家族介護者への支援方略の検討」を行う予定である。方法としては、実態調査を基に作成した健康支援プログラムに則り家庭訪問により生活状況に応じた生活習慣病・介護予防の支援を行う。研究デザインは、準実験研究である。家庭訪問群と非訪問群の2群を比較し、アウトカムを健診受診、受療、生活習慣病の発症等として評価し、家族介護者への継続可能な支援方略を見出す予定である。 これらにより、本研究目的の③健康や生活の実態に応じた生活習慣病予防・介護予防の健康支援をアウトリーチ活動である家庭訪問により行う、④家庭訪問にて実施した生活習慣の見直しや特定健診受診勧奨、医療受療勧奨の健康支援について、アウトカムを特定健診受診、医療機関受診、生活習慣病の発症の有無等として国保データベースシステム(以下、KDBシステム)にて評価する、⑤家族介護者への支援方略を検討する、を達成する予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
本研究の1,2年目である2018年度、2019年度に実施した調査研究の調査、分析結果により、3,4年目となる2020年度、2021年度に実施を予定している家族介護者への家庭訪問での介入研究において、介護で多忙な家族介護者への個別の状況に応じた休日・夜間等の介入の実施および家族介護者の多様な属性に応じた詳細なデータ分析が必要になることが予測された。そのため、1年目、2年目より所属機関の研究費で賄える部分を賄い、2018年度、2019年度より所属機関の研究費で賄える分は賄い、2020年度、2021年度の研究遂行に充てたいと考えた。それにより、5年間で予定していた研究が実施できると考える。
|