研究課題/領域番号 |
18K10666
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研究機関 | 聖カタリナ大学 |
研究代表者 |
小西 円 聖カタリナ大学, 人間健康福祉学部, 講師 (30616131)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 高齢者 / 介護保険施設 / 睡眠・覚醒リズム / 排泄ケア / 中途覚醒 / おむつ |
研究実績の概要 |
本研究は、夜間の排泄ケアのうち、夜間のおむつ交換回数、交換時刻等が介護保険施設に入所する高齢者の睡眠・覚醒リズムに与える影響を明らかにすることである。そこから、入所高齢者の睡眠・覚醒リズム改善に有用なおむつ交換方法(時刻や回数等)を決定するためのガイドラインを作成する予定である。 平成30~31年度にA県内の高齢者施設で実施した介入(21名の女性高齢者を対象に夜間のおむつ交換回数を定時2回から定時1回にする)をもとに、令和元年は、尿意のない対象者13名について分析した。その結果、介入前後で睡眠状況が改善した者がおり、尿意のない女性高齢者への介入効果は、認知機能や身体機能が関連していることが明らかになった。また、尿意があり日中はトイレで排泄できる高齢者であっても、夜間はおむつ交換による排泄ケアが行われている現状を踏まえ、令和2年は尿意のある対象者7名について分析した。その結果、尿意のある対象者の数人は、睡眠・覚醒に一定のリズムがあり、そのリズムに合わせておむつ交換やトイレ誘導を行うことで夜間の睡眠の妨げにならない可能性があると示唆された。また、尿意のある対象者に対する夜間のおむつ交換は、交換による中途覚醒を引き起こす一方、交換後に入眠を促す可能性があることも考えられた。 現在、入所高齢者のうち女性が対象であるが、今後は男性高齢者についても同様の介入を実施しその効果や影響要因を検討したいと考える。 なお、これらの結果は論文掲載が決定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
男性高齢者を対象に介入し効果を確認する予定であったが、新型コロナウイルス感染拡大に伴い実施が困難な状況にある。 今後、感染収束が見込まれる際には介入予定である。
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今後の研究の推進方策 |
施設高齢者の睡眠・覚醒リズムは施設環境の影響を大きく受けると推測される。本研究では温湿度、照度等を測定したが、それ以外の影響要因も検討する必要があると考える。 これら影響要因を検討の上、施設入所高齢者のケア質向上に貢献したいと考える。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染拡大により、対象施設での調査が実施できなかったため次年度使用額が生じた。また、学会発表がオンライン開催となったため、発表にかかる経費が削減できた。 感染収束後は調査実施のため、当初の予定通り物品の購入や旅費に使用予定である。なお、調査に用いる物品には感染対策用品が含まれることから、その経費も賄う。
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