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2019 年度 実施状況報告書

ロボットによる下肢切断術後早期荷重とneurorehabilitation

研究課題

研究課題/領域番号 18K10675
研究機関広島大学

研究代表者

木村 浩彰  広島大学, 病院(医), 教授 (60363074)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード下肢切断 / リハビリテーション / ロボット / neurorehabilitation
研究実績の概要

研究目的は、平成28年4月に世界で初めて医療保険対応となった医療用ロボット HALを使用して大腿・下腿切断術前及び術直後から歩行リハビリテーションを行うことで下肢切断者の自立歩行の早期獲得、術後のADL及びQOLの早期改善が可能であることを調査し、下肢大腿切断者に対する医療用ロボットHALの新たな臨床応用を確立することである。評価項目は、両下肢筋力、骨格筋量、知覚障害、関節可動域、Berg balance scale、Short Physical Performance Battely (SPPB) 、2分間歩行距離、Timed Up and Go Test、最大酸素摂取量、ロコモ25、多チャンネル筋電図であり、BI(Barthel Index)、FIM(Functional Independence Measure)、FAI(Frenchay Activities Index)、SF36、Health Utilities Index、Euro-Qol-5D-5L(質調整生存年QALY)を合わせて評価する。研究デザインは「探索的臨床試験」で、当院で片側の大腿あるいは下腿切断術を施行され、義足を装着し歩行可能と考える患者を対象とする。上記に対して、広島大学臨床研究審査委員会に研究計画を提出し研究倫理申請を受ける承認を得た。
40歳男性左大腿切断患者にHALを試行的に装着し歩行できることを確認した。
続いて、45歳男性で豪雨災害によって右下腿挫滅による右下腿切断患者に対して、術前からHAL運動療法を行い、術後3週で義足作製し、義足装着当日から歩行可能となった。
これらの症例報告を2019年10月広島HAL研究会と2019年10月26日大分ロボットHAL研究会で発表した。また、症例報告を英文化して投稿準備中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2018年4月1日臨床研究法が改正され、臨床研究の厳密さが強調されている。当初、比較的容易に研究倫理申請は可能であったが、法律改正により医療保険適応であるHALロボット機器を用いる研究であっても、薬品と同じように対象外使用であるため、一旦研究倫理申請の再提出となった。その後、HALを作成するサイバーダイン社からも適応外使用について難色を示すようになった。下肢切断者は対象として十分確保可能であるが、研究倫理申請が病院と会社の両方で停滞したため研究を遂行できなくなった。2019年後半から、やっと研究倫理について緩和的な扱いとなり、現在最終的な取り決めを待っている状態である。倫理認定が無ければ、病院内で研究を進めることができないため、やっと下肢切断者にHAL運動療法を適応できるようになる。下肢切断者は当院で年20-30名あるため、関連病院に広報して、下肢切断対象者を当院にリクルートして研究を加速する予定である。また、下肢切断者のリハビリテーションは当院関連病院の回復期リハビリテーション病院で最大5カ月可能であり、術後から下腿義肢装着、歩行、在宅まで一貫して調整可能となった。コロナウィルス災禍で、さらに研究倫理申請が遅れているが、最終年度を前に実症例に対して研究を実施して、次の段階に進めるべく研究を進める予定である。

今後の研究の推進方策

2018年臨床研究法の改正から、病院とHAL製作会社(サイバーダイン社)との両方で研究倫理申請が停滞していた。またコロナ災禍によりさらに会議がなくなり、研究倫理申請が得られなかったが、今月末にやっと研究倫理を受託できる予定となった。
HALに対してサイバーダイン社から技術的な支援を受けることになっている。それ以外は、通常の下肢切断者に対するリハビリテーションなので、臨床内容として当院で確立している。研究結果と対比するための通常のリハビリテーションとして、県立広島病院や広島市民病院など関連病院の結果を集める予定である。
研究倫理認定を待って、実際の下肢切断者にHAL運動療法を適応する。下肢切断者は当院で年20-30名あるため、関連病院に広報して、下肢切断対象者を当院にリクルートして研究を行う。また、下肢切断者のリハビリテーションは当院関連病院の回復期リハビリテーション病院で最大5カ月可能であり、術後から下腿義肢装着、歩行、在宅まで一貫して調整可能となった。2020年が最終年度なので、下肢切断者に対するHAL運動療法の効果を証明すべく、実際の臨床で研究を加速する予定である。

次年度使用額が生じた理由

HAL運動療法のため外傷性右下肢切断者に対して1例行ったが、それ以降は研究倫理申請が滞っていたため進められなかった。大学病院の臨床研究倫理について継続的に申請を続けたが、HAL性差幾会社(サイバーダイン社)に対しても適応外使用について説明を行った。両方の調整のため費用を要したが、結果的に今月末には倫理申請が受諾される予定となった。予定よりやや遅れており、このため費用が71891円残存したが、今後研究を加速するため十分使用できる予定である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件、 招待講演 2件)

  • [雑誌論文] ロボットやAIを用いた産学連携リハビリテーション2019

    • 著者名/発表者名
      木村 浩彰
    • 雑誌名

      The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine

      巻: 56 ページ: 572-576

    • オープンアクセス
  • [学会発表] ロボットやAIを用いたヘルスケアへの貢献2019

    • 著者名/発表者名
      木村 浩彰
    • 学会等名
      大分ロボットHAL研究会
    • 招待講演
  • [学会発表] HAL医療法下肢タイプの利用状況・実績について2019

    • 著者名/発表者名
      坂光 徹彦
    • 学会等名
      第3回広島HAL研究会
    • 招待講演
  • [学会発表] The effect of The Hybrid Assistive Limb (HAL) for walking rehabilitation after below-knee amputation.2019

    • 著者名/発表者名
      Tetsuhiko Sakamitsu, Hiroaki Kimura
    • 学会等名
      ISPRM 2019
    • 国際学会
  • [学会発表] Use the results of The Hybrid Assistive Limb (HAL) in our hospital2019

    • 著者名/発表者名
      Noya Orita, Hiroaki Kimura
    • 学会等名
      ISPRM 2019
    • 国際学会

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公開日: 2021-01-27  

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